過去問解説(企業経営理論)_2024年(令和6年) 第32問

難易度・正答率・重要度

  • 難易度: ★★★☆☆(プロセス整合の理解が必要)
  • 正答率: ★★★☆☆(正答率50〜70%)
  • 重要度: ★★★☆☆(コンテンツ運用の基本設計)

問題文

マーケティング・コミュニケーションにおいては、コンテンツのマネジメントが重要である。下図は、典型的なコンテンツのマネジメント・プロセスを示している。図中の空欄A~Dに入る語句の組み合わせとして、最も適切なものを下記の解答群から選べ。

目標設定
コンテンツによって、どのような成果をもたらしたいか。
A
コンテンツの計画立案
どのようなコンテンツを提供するか。
B
C
D
目標設定

コンテンツによる成果(認知拡大、リード獲得、購買、LTV向上など)を明確化する。

コンテンツの計画立案

テーマ、フォーマット、チャネル、スケジュールを設計し、体験設計と整合させる。

A/B/C/D

図中の空欄(A〜D)にはプロセスの具体段階が入る(下記〔解答群〕から選択)。


〔解答群〕
ア A:差別化戦略の策定 / B:セグメンテーション / C:コンテンツの制作 / D:コンテンツの配信と拡散
イ A:セグメンテーション / B:ターゲットの設定 / C:コンテンツの制作 / D:コンテンツの配信と拡散
ウ A:セグメンテーション / B:ターゲットの設定 / C:コンテンツの配信と拡散 / D:リピートの獲得
エ A:ターゲットの設定 / B:コンテンツの制作 / C:コンテンツの配信と拡散 / D:コンテンツの評価と改善
オ A:ポジショニング政策の立案 / B:セグメンテーション / C:コンテンツの評価と改善 / D:コンテンツの配信と拡散

出典:中小企業診断協会|2024年度 第1次試験問題|企業経営理論(PDF)


解答

正解:エ


解説

  • A:ターゲットの設定
    セグメンテーションは目標設定の上位設計であり、図の空欄には実務プロセスとしての「誰に届けるか」の確定(ターゲット設定)が自然に入る。
  • B:コンテンツの制作
    企画に沿って、原稿・ビジュアル・動画・LPなど具体制作を行う段階。
  • C:コンテンツの配信と拡散
    オウンド/ペイド/アーンド各チャネルへ配信し、SNS・検索・PRでリーチを広げる。
  • D:コンテンツの評価と改善
    KPI(到達、エンゲージ、CV)を計測し、メッセージやフォーマット、配信設計をPDCAで改善する。

他の選択肢は「配信→評価」の順序を崩していたり(ウ・オ)、上流戦略(差別化・ポジショニング)が図の粒度と合わず工程レベルとして不適切(ア・オ)、セグメンテーションが空欄Aに入ると「目標設定→セグメンテーション→計画立案」の整合が弱くなる(イ)。


学習のポイント

  • プロセスの原則整合
    上流(目標・ターゲット)→ 中流(制作)→ 下流(配信)→ 検証(評価・改善)
  • 計測と改善の要点
    主要KPIの明確化、仮説比較、クリエイティブ・チャネル・タイミングのABテスト
  • チャネル設計の考え方
    オウンド(サイト・メルマガ)/ペイド(広告)/アーンド(SNS・口コミ)の役割分担