過去問解説(企業経営理論)_2024年(令和6年) 第33問

難易度・正答率・重要度

  • 難易度:★★☆☆☆(SNS広告の仕組み理解が中心)
  • 正答率:★★★★☆(正答率70%以上)
  • 重要度:★★★☆☆(デジタル広告の基礎知識)

問題文

マーケティング・コミュニケーションにおける SNS の利用やその役割に関する記述として、最も適切なものはどれか。


SNS 広告にはさまざまなタイプがあるが、利用者を目的ページへ遷移させることを意図していない。
SNS とは、消費者が自由に投稿したり、相互にコメントしたり参照し合ったりする場である。このため、原則的には企業が開設するアカウントから SNS 上に投稿されることはない。
消費者によって毎日 SNS 上に投稿されるクチコミは、消費者によって発信された情報であるために信頼性が高い。すなわち、SNS 上のクチコミには信頼属性に関する情報が豊富に含まれている。
フォロワー数が極めて多い著名人をインフルエンサーとして起用し、当該インフルエンサーを通じて SNS 上で企業が情報発信を行う場合、当該企業の意図通りに実施されるように、企業は厳密にコミュニケーションを設計し、インフルエンサーを統制して情報発信を行っている。
ほとんどの消費者は、自己のアカウントにログインした状態で SNS を利用する。このため SNS では、基本的に企業はクッキーを使用せずに広告配信のターゲティングを行うことができる。

出典: 中小企業診断協会|2024年度 第1次試験問題|企業経営理論(PDF)


解答

正解:オ


解説

ア:×
 SNS広告にはリンククリックやコンバージョン誘導など、利用者を目的ページへ遷移させる形式が存在するため誤り。

イ:×
 企業公式アカウントは一般的に開設され、情報発信やキャンペーン告知、顧客対応などが日常的に行われている。

ウ:×
 SNS上のクチコミは参考になるが、必ずしも信頼性が高いとは限らない。発信者の動機や情報源に依存するため、信頼性は一様ではない。

エ:×
 インフルエンサーは企業の意図を踏まえて発信するが、完全に統制されるわけではなく、表現の自由度やフォロワーとの関係性が重視される。

オ:〇
 SNSはログインベースで利用されるため、プラットフォームはユーザーIDや行動データを活用して広告ターゲティングを行う。これにより、第三者クッキーに依存せずに広告配信が可能となる。


学習のポイント

・SNS広告の目的設計
認知、トラフィック、コンバージョン、リターゲティングを目的別に活用する

・アカウント運用の基本
企業公式アカウントによる継続的発信、UGC活用、エンゲージメント獲得

・データとターゲティング
ログインIDベースの配信、類似オーディエンス、イベント最適化などの仕組みを理解する