難易度・正答率・重要度
- 難易度: ★★☆☆☆(社会保険の実務基礎)
- 正答率: ★★★★☆(正答率70%以上)
- 重要度: ★★★☆☆(労務管理の必須知識)
問題文
次の記述は、株式会社Aを経営するB社長から、C中小企業診断士への相談内容をまとめたものである。健康保険諸法令及び厚生年金保険諸法令に照らし、各相談事項に対する正しい回答として、最も適切なものを下記の解答群から選べ。
雑貨を製造・販売する株式会社Aを新しく設立したB社長は、従業員から「健康保険と厚生年金保険はどうなっていますか。」と質問を受けた。B社長は、健康保険及び厚生年金保険(以下、両者を併せて社会保険ということがある)については全く理解していなかったため、会社を設立する際に支援を受けたC中小企業診断士に相談することとした。B社長の相談内容は、「社会保険の手続きはどのようにするのか。従業員に対してどのように説明するのか。社会保険の保険料の納付と負担は誰がどのようにするのか。手続きをした後の毎月の保険料は変わらないのか。ボーナス支給時にも保険料がかかるのか。」というものであった。
株式会社Aでは、従業員として30歳代の正社員3名を使用しており、被扶養者に該当する家族を有する者はいない。ボーナスは夏期と年末の年2回支給を予定している。なお、株式会社Aは全国健康保険協会管掌健康保険の適用事業所であり、電子申請は行っていないものとする。
出典:中小企業診断協会|2023年度 第1次試験問題|企業経営理論(PDF)
解答
正解:ア
解説
ア:〇
事業所の新規適用と従業員の資格取得は、事業主が「新規適用届」「被保険者資格取得届」などを日本年金機構へ提出して手続します。協会けんぽ適用でも窓口は年金機構です。
イ:×
保険料は事業主と被保険者が折半負担が原則。事業主には「納付義務」に加え「負担義務」もあります。被保険者だけが負担するわけではありません。
ウ:×
資格や被扶養者の届出は原則として事業主経由で行います。従業員が個別に年金事務所へ届ける運用ではありません。
エ:×
毎月の保険料は「標準報酬月額」に基づき、随時改定の要件(3か月平均の変動など)を満たす場合に変更。賞与には健康保険・厚生年金ともに保険料がかかります(標準賞与額)。
学習のポイント
- 手続の窓口
事業所の新規適用・資格取得届は日本年金機構へ提出。協会けんぽでも提出先は年金機構。 - 保険料の負担
事業主と被保険者で折半負担。事業主は源泉徴収・納付だけでなく負担者でもある。 - 届出の経路
資格・被扶養者の異動は事業主が取りまとめて届け出るのが原則。個人の直接届出は例外的。 - 賞与への保険料
賞与にも健康保険・厚生年金の保険料が賦課される(標準賞与額)。毎月の保険料は随時改定要件で変更。