過去問解説(企業経営理論)_2022年(令和4年) 第7問

難易度・正答率・重要度

  • 難易度: ★★☆☆☆(ファミリービジネス理論の基礎)
  • 正答率: ★★★★☆(正答率70%前後)
  • 重要度: ★★☆☆☆(周辺知識だが出題実績あり)

問題文

ファミリービジネスの 4 C モデルは、Continuity(継続性)、Community(同族集団)、Connection(良き隣人であること)、Command(自由な行動と環境適応)という 4 つを重要な要素とするものである。4 C モデルに関する記述として、最も適切なものはどれか。


4 C モデルは、4 つの要素の中で自社の特徴を最も発揮できる要素を発見し、それを強化するためのものである。
4 C モデルは、家族、企業の所有者、経営者など複数の属性を持つ構成員から成り立つファミリービジネスの複雑な利害関係を解決するためのものである。
4 C モデルは、競争優位の確立とファミリー固有のビジョンや目標を両立させるためのものである。
4 C モデルは、所有と経営を分離する過程で、ファミリービジネスの長所を維持するためのものである。
4 C モデルは、それぞれの要素にプラスの側面とマイナスの側面があることを認めたものである。

出典:中小企業診断協会|2022年度 第1次試験問題|企業経営理論(PDF)


解答

正解:オ


解説

ア:×
 4Cモデルは特定要素の強化に焦点を当てるものではなく、4要素のバランスと相互作用を理解する枠組み。

イ:×
 複雑な利害関係を解決する枠組みは「スリーサークルモデル(家族・所有・経営)」であり、4Cモデルではない。

ウ:×
 競争優位とファミリーのビジョン両立はファミリービジネス研究の重要テーマだが、4Cモデルの直接的目的ではない。

エ:×
 所有と経営の分離に関する議論はコーポレートガバナンスやスリーサークルモデルの領域。4Cモデルの趣旨とは異なる。

オ:〇
 4Cモデルは、Continuity・Community・Connection・Commandの各要素にプラス面とマイナス面があることを認め、両義性を理解するための枠組み。


学習のポイント

  • 4Cモデルの要素
    Continuity(継続性)、Community(同族集団)、Connection(良き隣人)、Command(自由な行動と環境適応)。
  • 4Cモデルの特徴
    各要素にはプラス面とマイナス面があり、両義的に作用することを前提としている。
  • 他モデルとの違い
    ・スリーサークルモデル=家族・所有・経営の利害関係を整理。
    ・4Cモデル=ファミリービジネスの特性を多面的に理解する枠組み。
  • 試験対策のコツ
    ファミリービジネス関連の出題は頻度は高くないが、スリーサークルモデルと4Cモデルの違いを押さえておくと得点源になる。