難易度・正答率・重要度
- 難易度: ★★☆☆☆(ビジネスモデル特許の要件)
- 正答率: ★★★★☆(定義問題)
- 重要度: ★★★☆☆(知財戦略の基礎)
問題文
e-ビジネスでは、新しいビジネスモデルを開発して特許を得ることによって利益を得ることがある。以下の記述のうち、日本において特許として認められていないものはどれか。
ア
航空券の購入希望者が条件を入力すると、複数の航空券販売業者が販売価格を提示し、購入希望者が1つを選択して予約する逆オークションのシステム。
イ
ネットで商品を注文して30分以内に配達できなければ割引する配達保証のサービス。
ウ
ネットで商品を注文する際に、購入希望品目をショッピングカートに入れれば、個別商品ごとに決済しなくても最後にまとめて決済できるシステム。
エ
ネットで商品を注文する際に、住所や連絡先を一度入力しておけば2度目からはワンクリックで完了させることのできるシステム。
出典: 中小企業診断協会|2019年度 第1次試験問題|経営情報システム(PDF)
解答
- 正解: イ
解説
- ア:〇(特許が成立し得る)
逆オークションを実現する「システム」として、具体的な情報処理手段・処理手順(サーバによる入札管理・提示・選択処理等)を伴えば技術的側面があり、特許性が認められる可能性がある。 - イ:×(特許として認められない)
「30分以内に配達できなければ割引する」という保証・約束は、単なる取引ルール・価格政策であり、技術的手段を伴わないビジネス上の取り決め。日本の特許では技術的思想に基づく発明であることが要件で、純粋な業務方法のみでは特許対象外。 - ウ:〇(特許が成立し得る)
ショッピングカート機能における決済処理の集約は、具体的なデータ構造・トランザクション制御・UI処理などの情報処理により実現される「システム」。技術的手段が明確であれば特許性があり得る。 - エ:〇(特許が成立し得る)
一度入力した情報を用いて以後ワンクリックで完了させる仕組みは、セッション管理・認証・決済フローの自動化などの情報処理手段に基づく「システム」。技術的特徴があれば特許性が認められる可能性がある。
学習のポイント
- 特許の要件(日本): 「自然法則を利用した技術的思想の創作」であることが必要。単なる取引ルールや価格・割引の約束のみでは発明に当たらない。
- ビジネスモデル特許: 事業手法であっても、具体的な情報処理・ネットワーク処理・データ構造などの技術的手段で実装されるシステムなら特許対象となり得る。