過去問解説(企業経営理論)_2019年(令和元年) 第11問

難易度・正答率・重要度

  • 難易度: ★★★☆☆(製品アーキテクチャの理解)
  • 正答率: ★★★☆☆(正答率60%前後)
  • 重要度: ★★★☆☆(設計思想と競争優位)

問題文

製品アーキテクチャは、製品を構成する個々の部品や要素の間のつなぎ方や製品としてのまとめ方であり、部品(要素)間の相互依存性の程度によって、インテグラル型とモジュラー型の2つに分類される。

「a 乗用車」、「b 大型旅客機」、「c デスクトップパソコン」、「d 業務用複合機(コピー機)」の4つの領域において、現在の市場で主に取引されている製品を想定した場合、それぞれインテグラル型、モジュラー型のいずれに該当するか。下記の解答群から、最も適切なものの組み合わせを選べ。

〔解答群〕

a:インテグラル型  b:インテグラル型  c:インテグラル型  d:モジュラー型
a:インテグラル型  b:インテグラル型  c:モジュラー型  d:インテグラル型
a:モジュラー型   b:インテグラル型  c:モジュラー型  d:モジュラー型
a:モジュラー型   b:モジュラー型   c:インテグラル型  d:インテグラル型
a:モジュラー型   b:モジュラー型   c:モジュラー型  d:インテグラル型

出典: 中小企業診断協会|2019年度 第1次試験問題|企業経営理論(PDF)


解答

正解:イ


解説

ア:×
デスクトップパソコンは部品の標準化が進み、モジュラー型が主流。インテグラル型ではない。

イ:〇
・乗用車=インテグラル型(安全性・走行性能のため部品間依存度が高い)
・大型旅客機=インテグラル型(高度な安全性・空力設計のため統合設計が必須)
・デスクトップパソコン=モジュラー型(CPU・メモリ・HDDなど部品交換可能)
・業務用複合機=インテグラル型(印刷・スキャン・通信機能が密接に統合)

ウ:×
乗用車はインテグラル型が基本。モジュラー型ではない。

エ:×
大型旅客機はインテグラル型。モジュラー型ではない。

オ:×
複合機はインテグラル型。モジュラー型ではない。


学習のポイント

  • インテグラル型:
    ・部品間の相互依存性が高い。
    ・性能最適化に有利だが、設計変更や部品交換は困難。
    ・例:自動車、航空機、複合機。
  • モジュラー型:
    ・部品間の依存性が低く、標準インターフェースで接続。
    ・柔軟性・互換性が高く、部品交換や改良が容易。
    ・例:パソコン、家電の一部。
  • 試験対策のコツ:
    「安全性・性能重視=インテグラル」「柔軟性・標準化=モジュラー」と整理すると覚えやすい。