過去問解説(企業経営理論)_2019年(令和元年) 第14問

難易度・正答率・重要度

  • 難易度: ★★☆☆☆(組織学習の基礎)
  • 正答率: ★★★★☆(正答率70%前後)
  • 重要度: ★★★☆☆(組織行動論の基本理解)

問題文

組織学習は、一般に低次学習と高次学習に分けて考えることができる。組織学習に関する記述として、最も適切なものはどれか。


D.マグレガーのいうY理論に基づく管理手法を採用すると、低次学習が促進されるため、組織の業績は悪化する可能性が高まる。
新たに組織に参加した組織メンバーは、組織の周縁にいるために、社会化のプロセスを通じて積極的に高次学習をさせる必要がある。
高次学習とは組織の上位階層で行われている学習であり、低次学習とは組織の下位階層で行われている学習である。
組織の行動とそれが環境に与える効果の因果関係が分かりにくい場合、迷信的学習といわれる低次学習が起こりやすい。
低次学習とは組織の成果にとって悪い影響を与える学習であり、高次学習とはより高い成果をあげるために不可欠であるため、組織メンバーに高次学習を意識させることが重要である。

出典: 中小企業診断協会|2019年度 第1次試験問題|企業経営理論(PDF)


解答

正解:エ


解説

ア:×
Y理論は人間観に基づく管理手法であり、低次学習の促進=業績悪化という因果は存在しない。

イ:×
新規メンバーはまず組織文化に適応する社会化が必要であり、いきなり高次学習を求めるのは不適切。

ウ:×
高次学習・低次学習は階層の上下ではなく、学習の性質(既存ルールの強化か、枠組みの再構築か)で区別される。

エ:〇
因果関係が不明確な場合、誤った因果推論に基づく「迷信的学習」が生じやすく、これは低次学習の典型。

オ:×
低次学習=悪、高次学習=善という単純な区分ではない。低次学習も日常的な改善や効率化に有効。


学習のポイント

  • 低次学習(シングルループ学習):
    ・既存の枠組みやルールを前提に、行動を修正する。
    ・効率化や改善に有効だが、因果誤認による迷信的学習が起こりやすい。
  • 高次学習(ダブルループ学習):
    ・既存の枠組みや前提そのものを問い直し、新しいルールや価値観を形成。
    ・環境変化に対応するために不可欠。
  • 試験対策のコツ:
    「低次=既存枠組み内の改善」「高次=枠組み自体の見直し」と整理。
    「迷信的学習=低次学習のリスク」と押さえておくと理解が深まる。