難易度・正答率・重要度
- 難易度: ★★☆☆☆(組織行動論の基礎)
- 正答率: ★★★★☆(正答率70%前後)
- 重要度: ★★★☆☆(部門間調整の理解)
問題文
コンフリクトは、意思決定の標準メカニズムの機能不全を意味する。組織における部門間コンフリクトの原因、それへの対応に関する記述として、最も適切なものはどれか。
ア
組織内のスラックが豊富に存在すると、部門間の目標の独立性が減少し、部門間コンフリクトが発生しやすくなる。
イ
組織内の部門間コンフリクトは、共同意思決定の必要性が高ければ高いほど、また予算など限られた資源への依存度が大きければ大きいほど、発生する可能性が高まる。
ウ
命令の一元性が確保されていると、部門間の目標や知覚の分化が進むため、部門間コンフリクトが起きる可能性は低下する。
エ
目標が共有されている部門間でコンフリクトが生じた場合、その基準を満たす解決策を探索するために、政治的工作やバーゲニングが使用される可能性が高くなる。
出典: 中小企業診断協会|2019年度 第1次試験問題|企業経営理論(PDF)
解答
正解:イ
解説
ア:×
スラック(余裕資源)が豊富であれば、むしろ資源配分の余裕が生まれ、コンフリクトは緩和されやすい。
イ:〇
部門間コンフリクトは「共同意思決定の必要性が高い」「限られた資源を奪い合う」状況で発生しやすい。典型的には予算配分や人員配置など。
ウ:×
命令の一元性が確保されても、部門ごとの目標や知覚の分化は進むため、コンフリクトは依然として発生し得る。
エ:×
目標が共有されている場合は、政治的工作やバーゲニングではなく、協調的な問題解決が促進されやすい。
学習のポイント
- コンフリクトの原因:
・資源の希少性(予算・人員・設備の奪い合い)。
・共同意思決定の必要性が高い状況。
・部門ごとの目標や評価基準の違い。 - コンフリクトの対応:
・資源配分ルールの明確化。
・調整メカニズム(会議・調整役の設置)。
・協調的問題解決アプローチ。 - 試験対策のコツ:
「資源が限られる+共同意思決定が必要=コンフリクト増大」と覚える。
スラックがあると緩和、共有目標があると協調的解決が促進される。