過去問解説(企業経営理論)_2019年(令和元年) 第19問

難易度・正答率・重要度

  • 難易度: ★★☆☆☆(ステイクホルダー論の基礎)
  • 正答率: ★★★★☆(正答率70%前後)
  • 重要度: ★★★☆☆(企業と社会の関係理解)

問題文

現代の企業は、規模の大小にかかわりなく、さまざまなステイクホルダーの社会的ネットワークの中に埋め込まれている。企業は利害の異なるこうしたステイクホルダーから正当性を獲得するために、ステイクホルダーと協調戦略を採る場合がある。

以下のa~dの行動について、こうした協調戦略に関する記述の正誤の組み合わせとして、最も適切なものを下記の解答群から選べ。

a 企業とステイクホルダーとの間の資源交換をめぐって協定を締結すること。
b ステイクホルダーの代表を、企業の一員として政策決定機関に参加させること。
c 組織間の共通目標を達成するために、複数の組織が資源やリスクを共有しながら、共同事業を行うこと。
d 特定の目標を達成するために、複数の組織間で、公式の調整機関を設置すること。

〔解答群〕

a:正  b:正  c:正  d:正
a:正  b:正  c:正  d:誤
a:誤  b:正  c:誤  d:誤
a:誤  b:誤  c:正  d:正
a:誤  b:誤  c:誤  d:正

出典: 中小企業診断協会|2019年度 第1次試験問題|企業経営理論(PDF)


解答

正解:ア


解説

a:正
資源交換をめぐる協定は、企業とステイクホルダー間の協調戦略の典型例。

b:正
ステイクホルダー代表を政策決定機関に参加させることは、利害調整や正当性確保の手段。

c:正
共通目標達成のための共同事業は、資源・リスク共有による協調戦略に該当。

d:正
複数組織間で公式の調整機関を設置することも、協調戦略の一形態。


学習のポイント

  • 協調戦略の典型例
    ・資源交換協定
    ・ステイクホルダーの意思決定参加
    ・共同事業(資源・リスク共有)
    ・公式調整機関の設置
  • 背景
    ・企業は社会的ネットワークに埋め込まれ、正当性の確保が不可欠。
    ・利害の異なるステイクホルダーとの協調は、持続的経営の基盤。
  • 試験対策のコツ
    ・「協調戦略=対立回避・正当性確保のための制度的仕組み」と整理。
    ・選択肢がすべて協調戦略に該当する場合もあるので、誤答を探すより「全て正しい」可能性を意識する。