過去問解説(企業経営理論)_2019年(令和元年) 第21問

難易度・正答率・重要度

  • 難易度: ★★☆☆☆(日本的人事の基本)
  • 正答率: ★★★★☆(正答率70%前後)
  • 重要度: ★★★☆☆(制度設計の理解)

解答

正解:イ


解説

ア:×
職能資格制度は「社内の職務遂行能力(スキル・知識・態度)」に基づく等級付け。社外の職業資格体系に準拠して評価する仕組みではない。

イ:〇
能力ベースの等級制度のため、上位ポストの有無にかかわらず、能力の上昇が認められれば等級を上げ得る(役職と等級は必ずしも一致しない)。

ウ:×
職務に固定されず「能力」を軸に等級を運用するため、職種またぎの異動やローテーションに親和的で、ゼネラリスト育成に適合する。

エ:×
能力=経験年数ではない。制度運用次第で年功的に傾くことはあるが、本質は能力主義であり、年数の自動加算で上昇する設計ではない。


学習のポイント

  • 制度の本質
    ・能力基準:職務ではなく職務遂行能力に応じて等級を決める。
    ・役職と分離:役職(ポスト)と職能等級は必ずしも連動しない。
  • 人材育成への影響
    ・異動・ローテーション:能力軸のため職種横断の配置転換とゼネラリスト育成に向く。
    ・評価運用:能力評価の明確化と公正運用が不可欠。年功化のリスクは運用で抑える。
  • 試験対策のコツ
    ・「社外資格準拠」は誤り、「能力上昇→等級上げ」は正。
    ・「固定職種で不向き」は誤り、「年数=能力」は誤り。
    キーワードは「能力主義」「役職等級の分離」「ローテーション適性」。