難易度・正答率・重要度
- 難易度: ★★★☆☆(労働・社会保険制度の知識)
- 正答率: ★★★☆☆(正答率60%前後)
- 重要度: ★★★☆☆(人事労務管理の基礎)
問題文
事業主が公の目的のために賦課徴収される公租公課のうち、法律で「国税徴収の例により徴収する」と規定されている労働保険(労災保険・雇用保険)、社会保険(健康保険、厚生年金保険、介護保険とする)の保険料の納付に関する記述として、最も適切なものはどれか。
なお、本問における社会保険料については健康保険の日雇特例被保険者に関するものを除くものとする。
ア
事業主は、労働保険の継続事業における一般保険料については、その概算保険料(増加概算保険料、追加徴収、延納を除く)を、保険年度ごとに概算保険料申告書に添えて、その保険年度の4月1日(保険年度の中途に保険関係が成立したものについては、当該保険関係が成立した日)から40日以内に納付しなければならない。
イ
社会保険の被保険者(健康保険の任意継続被保険者を除く)及び被保険者を使用する事業主は、それぞれ保険料額の2分の1を負担しなければならないが、事業主は使用する被保険者負担分を報酬から控除することができなかったとしても、使用する被保険者及び自己の負担する保険料を納付する義務を負う。
ウ
社会保険の被保険者の毎月の保険料は、当月末日までに納付しなければならない。ただし、健康保険の任意継続被保険者に関する保険料については、その月の10日(初めて納付すべき保険料については、保険者の指定日)までに納付しなければならない。
エ
労働保険事務の処理を労働保険事務組合に委託している中小事業主(当該保険年度において10月1日以降に保険関係が成立したものを除く)は、当該事業主が申請することにより、その継続事業の概算保険料を、4月1日からの四半期ごとに4回に分けて納付することができる。
出典: 中小企業診断協会|2019年度 第1次試験問題|企業経営理論(PDF)
解答
正解:イ
解説
ア:×
労働保険の概算保険料は「6月1日から7月10日まで」に申告・納付するのが原則であり、設問の「4月1日から40日以内」という記述は誤り。
イ:〇
社会保険料は事業主と被保険者が折半負担する。事業主は被保険者負担分を控除できなかった場合でも、自己負担分と合わせて納付義務を負う。
ウ:×
社会保険料は「翌月末日」までに納付するのが原則。設問の「当月末日まで」は誤り。任意継続被保険者は「当月10日まで」が正しい。
エ:×
労働保険事務組合に委託している場合、概算保険料は「3回分割納付」が認められる。設問の「4回分割」は誤り。
学習のポイント
- 労働保険料
・原則:6月1日~7月10日に概算・確定保険料を申告納付。
・事務組合委託事業主は「3回分割納付」が可能。 - 社会保険料
・事業主と被保険者が折半負担。
・納付期限は「翌月末日」。
・任意継続被保険者は「当月10日まで」。 - 試験対策のコツ
・「社会保険料=折半負担+事業主納付義務」
・「労働保険料=6月申告納付、事務組合は3回分割」
・「納付期限:社会保険は翌月末、任意継続は当月10日」