難易度・正答率・重要度
- 難易度: ★★★☆☆(製品開発プロセス・調査法・分析法)
- 正答率: ★★★☆☆(正答率60%前後)
- 重要度: ★★★☆☆(マーケティングリサーチの基礎)
問題文
次の文章を読んで、下記の設問に答えよ。
製品開発を効果的に行うために、多くの場合、企業担当者は①製品開発プロセスを段階的に管理・実行している。それぞれの段階において、②調査や実験を行い、③それぞれの分析結果に基づき意思決定を繰り返すことで、新製品の成功確率を高めるよう努めている。
(設問 1)
文中の下線部①に関する記述として、最も適切なものはどれか。
(設問 2)
文中の下線部②の調査や実験におけるデータ収集方法に関する記述として、最も適切なものはどれか。
(設問 3)
文中の下線部③の分析方法に関する記述として、最も適切なものはどれか。
出典: 中小企業診断協会|2019年度 第1次試験問題|企業経営理論(PDF)
解答
- 設問1:ウ
- 設問2:ア
- 設問3:イ
解説
【設問1】
ア:×
アイデア・スクリーニングは効率的に行う必要があり、時間をかけすぎるのは不適切。
イ:×
市場テストは実際の市場環境で大規模に行うとコストが高く、競合に情報が漏れるリスクもある。
ウ:〇
知覚マップで空白領域に位置しても、必ずしも市場性があるとは限らない。空白は「未充足ニーズ」か「需要が存在しない領域」かを見極める必要がある。
エ:×
プロトタイピングは技術担当者だけでなく、マーケティングやデザインなど多部門が関与する。
【設問2】
ア:〇
観察法には「実験的条件下での行動観察」や「自己観察」が含まれる。調査者が自ら体験し、その体験を観察対象とする方法も観察法の一種である。
イ:×
グループインタビューの司会者は、参加者との信頼関係を築き、自由に意見を引き出すことが重要。共感を示さないのは不適切。
ウ:×
デプスインタビューは一対一で深掘りするため、他者の影響を受けにくいが、コストはむしろ高い。低コストという記述は誤り。
エ:×
リード・ユーザー法は、先進的なニーズを持つユーザーからアイデアを得る探索的調査手法。市場規模や競争力の検証には用いられない。
【設問3】
ア:×
相関係数は「相関関係」を示すが、因果関係を証明するものではない。
イ:〇
クラスター分析は、類似性に基づいて対象をグループ化する多変量解析手法。異質な集団を同質的なクラスターに分類できる。
ウ:×
順序尺度では中央値や最頻値が適切。平均値は算出できるが意味を持たない場合が多い。
エ:×
平均値の差の検定にはt検定や分散分析を用いる。カイ二乗検定はカテゴリーデータに適用する。
学習のポイント
- 製品開発プロセス
・段階的に進める「ステージゲート方式」が一般的。
・知覚マップの空白=必ずしも市場機会ではない。 - 調査法
・観察法=行動観察+自己観察。
・デプスインタビュー=深掘りだがコスト高。
・リード・ユーザー法=先進的ユーザーからの探索的調査。 - 分析法
・相関≠因果。
・クラスター分析=類似性に基づく分類。
・順序尺度=中央値・最頻値が適切。
・平均値差の検定=t検定、ANOVA。 - 試験対策のコツ
・「知覚マップの空白=市場性あり」と短絡しない。
・観察法の範囲に「自己観察」が含まれる点を押さえる。
・デプスインタビューはコスト高であることに注意。
・相関と因果の違いを明確に区別する。
・クラスター分析=分類手法、カイ二乗検定=カテゴリーデータ用、と整理して覚える。