難易度・正答率・重要度
- 難易度: ★★★☆☆(等費用線と等産出量曲線の理解)
- 正答率: ★★★☆☆(図形と価格変化の対応が鍵)
- 重要度: ★★★☆☆(費用最小化と産出水準の関係)
問題文
下図は、産出と費用の関係を描いたものである。労働と資本の両方を可変的インプットとして、生産要素の投入と生産物の産出との関係を描いたものが等産出量曲線である。また、等費用線は、一定の費用のもとで労働と資本をどのくらい投入することが可能かを表している。
この図に基づいて、下記の設問に答えよ。

(設問1)
等費用線のシフトに関する記述として、最も適切なものはどれか。
ア
資本のレンタル価格が上昇した場合、横軸の切片は不変のままで、縦軸の切片が下方に移動する。
イ
賃金率が下落した場合、縦軸の切片は不変のままで、横軸の切片が左方に移動する。
ウ
賃金率の上昇と同じ割合で資本のレンタル価格が下落すれば、等費用線の傾きは変わらない。
エ
費用が増加すると、等費用線が左方に平行移動する。
(設問2)
等費用線が右方に平行移動した場合の記述として、最も適切なものはどれか。
ア
新しい等費用線における費用最小化は、点Eと費用は同じであるが、賃金率と資本のレンタル価格がともに高い水準で達成される。
イ
新しい等費用線における費用最小化は、点Eよりも産出量が高い水準で達成される。
ウ
新しい等費用線における費用最小化は、点Eよりも産出量が低い水準で達成される。
エ
新しい等費用線における費用最小化は、点Eよりも労働と資本がともに少ない水準で達成される。
出典:中小企業診断協会|2019年度 第1次試験問題|経済学・経営政策(PDF)
解答
- 設問1:ア
- 設問2:イ
解説
設問1:等費用線のシフト
- ア:〇
資本のレンタル価格が上昇すると、同じ費用で購入できる資本量が減るため、縦軸の切片(資本量)が下方に移動する。横軸(労働)は不変。 - イ:×
賃金率が下落すれば、労働が安くなるため、横軸の切片(労働量)は右方に移動する。左方ではない。 - ウ:×
賃金と資本価格が同じ割合で変化しても、傾きは変わる。傾きは価格比(賃金率/資本価格)で決まるため。 - エ:×
費用が増加すれば、等費用線は右方に平行移動する。左方ではない。
設問2:等費用線の右方移動
- ア:×
等費用線が右方に移動するということは、費用が増加している。点Eと同じ費用ではない。 - イ:〇
等費用線が右方に移動すると、より多くのインプットが使えるようになり、より高い等産出量曲線に到達できる。つまり、産出量は増加する。 - ウ:×
費用が増えているのに、産出量が減るのは不合理。 - エ:×
費用が増えているので、投入量(労働・資本)は増える方向。少なくなるのは誤り。
学習のポイント
- 等費用線の傾き: 賃金率/資本レンタル価格。価格変化で傾きや切片が変化。
- 等費用線の移動: 費用増加→右方平行移動、費用減少→左方平行移動。
- 費用最小化と産出: 等費用線と等産出量曲線の接点が最適投入点。等費用線が外側に移動すれば、より高い産出水準が可能。