過去問解説(財務・会計)_2019年(令和元年) 第7問

難易度・正答率・重要度

  • 難易度: ★★☆☆☆(負債計上と引当の基本)
  • 正答率: ★★★★☆(基準の押さえどころ)
  • 重要度: ★★★☆☆(開示・計上の定番論点)

問題文

負債の会計処理と開示に関する記述として、最も適切なものはどれか。

〔解答群〕

資産除去の義務を伴う有形固定資産を取得した場合、その資産の除去に要する支出額の割引価値を、資産除去債務として負債に計上する。
支払手形や買掛金は、決算日の翌日から1年以内に支払期限が到来するかどうかを基準として、流動負債と固定負債に区分される。
主たる営業活動以外の取引から生じた未払額は、未払費用として負債に計上される。
将来における大地震等の天災に備えて、災害損失引当金を設定することができる。

出典:中小企業診断協会|2019年度 第1次試験問題|財務・会計(PDF)

解答

  • 正解:ア

解説

ア:〇
資産除去債務は、資産の除去に要する見積支出額の現在価値(割引価値)を負債として計上し、同額を資産の取得原価に加算する。取得後は利息費用認識と資産の減価償却を行う。

イ:×
支払手形・買掛金は原則として営業循環内に回収・支払されるため流動負債に分類する。1年基準で固定負債に区分する対象ではない(営業循環基準が優先)。

ウ:×
未払費用は発生主義による費用の見越で、営業活動に付随するものも含む。主たる営業活動以外の未払額だから未払費用、とするのは誤りで、未払金・未払費用は取引の性質で区分する。

エ:×
将来の天災など不確定事象に備える一般的な引当金の計上は認められない。発生可能性・金額の合理的見積が可能な債務のみ引当計上が許容されるため、包括的な「災害損失引当金」は不可。


学習のポイント

  • 資産除去債務:割引現在価値で負債計上+資産に資本化、以後アンワインド(利息)と償却。
  • 流動負債の判定:営業循環基準が基本、1年基準は補助。
  • 未払費用と未払金:費用の見越か、物品・固定資産購入等の未払かで仕訳を区分。
  • 引当金:過去事象に起因する債務で、発生可能性と合理的見積りが必要(一般的備えは不可)。