過去問解説(財務・会計)_2019年(令和元年) 第8問

難易度・正答率・重要度

  • 難易度: ★★★☆☆(税効果会計の典型問題)
  • 正答率: ★★★☆☆(計算過程を理解していれば正答可能)
  • 重要度: ★★★★☆(一時差異と繰延税金の理解)

問題文

決算に当たり、期首に取得した備品1,200千円(耐用年数4年、残存価額ゼロ)について定額法で減価償却を行った。しかし、この備品の税法上の耐用年数は6年であった。このとき、計上される繰延税金資産または繰延税金負債の金額として、最も適切なものはどれか。なお、法人税等の実効税率は30%とする。また、期首における一時差異はないものとする。

〔解答群〕

繰延税金資産:30千円
繰延税金資産:70千円
繰延税金負債:30千円
繰延税金負債:70千円

出典: 中小企業診断協会|2019年度 第1次試験問題|財務・会計(PDF)

解答

  • 正解:ア(繰延税金資産:30千円)

解説

  1. 会計上の減価償却費
  • 取得価額:1,200千円
  • 耐用年数:4年
  • 定額法 → 1,200 ÷ 4 = 300千円/年
  1. 税務上の減価償却費
  • 耐用年数:6年
  • 定額法 → 1,200 ÷ 6 = 200千円/年
  1. 差異の発生
  • 会計上:300千円
  • 税務上:200千円
  • 差額:100千円(会計の方が費用多い → 税務上の利益が大きい → 将来減算一時差異)
  1. 繰延税金資産の計算
  • 一時差異:100千円
  • 実効税率:30%
  • 100 × 0.3 = 30千円

選択肢の検討

  • ア:〇 繰延税金資産30千円 → 正解
  • イ:× 70千円は誤り(差異100千円に税率30%を掛けると30千円)
  • ウ:× 繰延税金負債ではなく資産
  • エ:× 金額も区分も誤り

学習のポイント

  • 税効果会計:会計と税務の差異を調整し、将来の税負担を適切に見積もる。
  • 一時差異:将来解消される差異。会計>税務の費用 → 将来減算一時差異 → 繰延税金資産。
  • 繰延税金資産:将来の課税所得を減らす効果がある場合に計上。