過去問解説(財務・会計)_2019年(令和元年) 第18問

難易度・正答率・重要度

  • 難易度: ★★☆☆☆(金利の基礎とイールドカーブ)
  • 正答率: ★★★★☆(用語・概念の整理)
  • 重要度: ★★★☆☆(金利環境の理解)

問題文

金利に関する記述として、最も適切なものはどれか。

〔解答群〕

将来の利払い額が変動するリスクを考慮すると、固定金利での借り入れが常に有利である。
日本における短期金利の代表的なものとして、インターバンク市場で取引される公定歩合がある。
名目金利とは、実質金利から物価上昇率(インフレ率)を控除した金利水準を指す。
歴史的に長期金利と短期金利では、長期金利の方が高い傾向にあるが、金利水準の低下局面では逆のケースも観察されている。

出典: 中小企業診断協会|2019年度 第1次試験問題|財務・会計(PDF)

解答

  • 正解:エ

解説

ア:×
固定金利が「常に」有利ではない。将来金利低下が見込まれる局面では変動金利が有利になり得るし、金利上昇リスクをヘッジしたい局面では固定が有利になるなど、前提次第。

イ:×
公定歩合は日本銀行がかつて適用していた基準で、インターバンク市場の取引金利そのものではない。短期金利の代表例は無担保コール翌日物やTIBOR/JBAターム物など。

ウ:×
名目金利は「実質金利+インフレ率」。実質金利は「名目金利−インフレ率」。定義の逆。

エ:〇
一般に期間プレミアムにより長期金利>短期金利の傾向(上方傾斜のイールドカーブ)が多いが、景気後退や急速な金利低下期待が強い局面では短期金利が長期金利を上回る「逆イールド」が観察される。


学習のポイント

  • 固定金利 vs 変動金利:将来の金利動向に応じて有利不利が変化する。
  • 短期金利の代表例:無担保コール翌日物、TIBORなど。公定歩合は短期金利の代表ではない。
  • 名目金利と実質金利:名目金利=実質金利+インフレ率。
  • イールドカーブ:通常は右上がり(長期>短期)。ただし逆イールドは景気後退のシグナルとされる。