過去問解説(企業経営理論)_2020年(令和2年) 第7問

難易度・正答率・重要度

  • 難易度: ★★★☆☆(商品開発マネジメントの理解)
  • 正答率: ★★★☆☆(正答率60%前後)
  • 重要度: ★★★☆☆(開発プロセス・組織設計)

第7問

次の文章の空欄A~Dに入る語句の組み合わせとして、最も適切なものを下記の解答群から選べ。


⑴ 現代の企業は、商品ライフサイクルの短縮化によって、多様な商品を低コストで連続的に開発することが求められている。商品開発に関する市場や技術の不確実性を低くするためには、開発の初期段階での活動によって多くの曖昧な情報を精査して、アイデアを徐々に絞り込む A を実施することが効果的である。
⑵ 商品開発戦略では、個々の商品開発におけるコスト削減やリードタイムの短縮が求められ、商品ライン間の技術的な共通化を戦略的かつシステマティックに実行し、複数の商品開発プロジェクトを統合的に取り扱う戦略とマネジメントが重要となる。その戦略やマネジメントでは、さまざまな技術や部品の担当部門を横断的に組織化したプロジェクト・チームを先導する B を設けることは必ずしも有効ではなく、複数の商品開発プロジェクトを統括して管理する C の設置が効果的である。
⑶ 技術開発や商品開発のプロセスにおいて、開発期間短縮と開発効率の向上および品質向上を同時に実現するという目標の達成には、各機能部門が業務を終了してから次の機能部門へ引き渡すのではなく、各機能業務を並行させて商品開発を進める D が必要である。


〔解答群〕

A:コンカレント・エンジニアリング B:重量級プロジェクト・マネジャー C:プラットフォーム・マネジャー D:ステージ・ゲート
A:コンカレント・エンジニアリング B:プラットフォーム・マネジャー C:ステージ・ゲート D:重量級プロジェクト・マネジャー
A:重量級プロジェクト・マネジャー B:ステージ・ゲート C:プラットフォーム・マネジャー D:コンカレント・エンジニアリング
A:ステージ・ゲート B:重量級プロジェクト・マネジャー C:プラットフォーム・マネジャー D:コンカレント・エンジニアリング
A:ステージ・ゲート B:プラットフォーム・マネジャー C:コンカレント・エンジニアリング D:重量級プロジェクト・マネジャー

出典: 中小企業診断協会|2020年度 第1次試験問題|企業経営理論(PDF)


解答

正解:エ
A:ステージ・ゲート
B:重量級プロジェクト・マネジャー
C:プラットフォーム・マネジャー
D:コンカレント・エンジニアリング


解説

  • A(ステージ・ゲート):
    開発初期段階で曖昧な情報を精査し、段階的にアイデアを絞り込む仕組み。ゲートで継続可否を判断する。
  • B(重量級プロジェクト・マネジャー):
    部門横断的なチームを強力にリードする役割。ただし、商品ライン全体の統合管理には必ずしも適さない。
  • C(プラットフォーム・マネジャー):
    複数の開発プロジェクトを統括し、共通基盤(プラットフォーム)を活用して効率化を図る役割。
  • D(コンカレント・エンジニアリング):
    各機能部門の業務を並行して進めることで、開発期間短縮・効率化・品質向上を同時に実現する。

学習のポイント

  • ステージ・ゲート
    ・開発初期に曖昧な情報を精査し、段階的にアイデアを絞り込む。
    ・ゲートで継続可否を判断し、リスクを低減。
  • 重量級プロジェクト・マネジャー
    ・部門横断的なチームを強力にリード。
    ・ただし、複数ラインの統合管理には不向き。
  • プラットフォーム・マネジャー
    ・複数プロジェクトを統括し、共通基盤を活用。
    ・技術や部品の共通化を推進。
  • コンカレント・エンジニアリング
    ・機能部門の業務を並行処理。
    ・開発期間短縮・効率化・品質向上を同時に実現。
  • 試験対策のコツ
    「A=ステージゲート」「D=コンカレント」「B=重量級PM」「C=プラットフォーム」と整理して覚えると混乱しにくい。