過去問解説(企業経営理論)_2020年(令和2年) 第8問

難易度・正答率・重要度

  • 難易度: ★★★☆☆(イノベーション関連用語の整理)
  • 正答率: ★★★☆☆(正答率60%前後)
  • 重要度: ★★★☆☆(新製品開発・組織間連携)

第8問

以下のA欄の①~④に示す新製品開発やイノベーションを推進するための取り組みと、B欄のa~dに示すこれらの取り組みに当てはまる名称の組み合わせとして、最も適切なものを下記の解答群から選べ。

【A 取り組みの内容】

① 新興国で開発された製品や技術を先進国に導入すること
② 新製品に関わる各部門が、外部環境における関連する領域と卓越した連携を持つこと
③ 製品の構造を分析し、動作原理、製造方法、設計図の仕様、ソースコードを調査し、学習すること
④ 職務よりもプロセスを重視した、事業プロセスの大きな設計変更を伴う職務横断的な取り組み

【B 取り組みの名称】

a リバース・エンジニアリング
b リエンジニアリング
c バウンダリー・スパンニング
d リバース・イノベーション

〔解答群〕

①-a  ②-b  ③-c  ④-d
①-a  ②-d  ③-c  ④-b
①-b  ②-d  ③-a  ④-c
①-d  ②-c  ③-a  ④-b
①-d  ②-c  ③-b  ④-a

出典: 中小企業診断協会|2020年度 第1次試験問題|企業経営理論(PDF)


解答

正解:エ
①-d(リバース・イノベーション)
②-c(バウンダリー・スパンニング)
③-a(リバース・エンジニアリング)
④-b(リエンジニアリング)


解説

  • ① リバース・イノベーション
    新興国で開発された製品や技術を先進国に導入する取り組み。従来の「先進国→新興国」とは逆方向の知識移転。
  • ② バウンダリー・スパンニング
    新製品開発に関わる部門が、外部環境の関連領域と卓越した連携を持つ活動。組織の境界を越えて情報を収集・共有する。
  • ③ リバース・エンジニアリング
    製品の構造や動作原理を分析し、設計やソースコードを調査・学習する取り組み。模倣や改良の基盤となる。
  • ④ リエンジニアリング
    職務よりもプロセスを重視し、事業プロセスを抜本的に再設計する取り組み。業務効率化や抜本的改革を狙う。

学習のポイント

  • リバース・イノベーション
    ・新興国発 → 先進国導入の知識逆流。
    ・低コスト・シンプル設計が先進国市場でも有効な場合がある。
  • バウンダリー・スパンニング
    ・組織の境界を越えて外部と連携。
    ・市場・技術の不確実性を低減。
  • リバース・エンジニアリング
    ・既存製品を分解・解析して学習。
    ・技術習得や改良の出発点。
  • リエンジニアリング
    ・業務プロセスを抜本的に再設計。
    ・効率化・コスト削減・サービス改善を同時に狙う。
  • 試験対策のコツ
    「①リバースイノベーション」「②バウンダリースパンニング」「③リバースエンジニアリング」「④リエンジニアリング」と整理して覚えると混乱しにくい。