難易度・正答率・重要度
- 難易度: ★★☆☆☆(モチベーション理論の基礎理解)
- 正答率: ★★★★☆(正答率70%前後)
- 重要度: ★★★☆☆(期待理論と公平理論の区別)
問題文
期待理論における、組織メンバーのモチベーションの水準を規定する要因に関する記述として、最も不適切なものはどれか。
ア
成果が自身の報酬につながるかについての認知
イ
他者の報酬と比較した自身の報酬に対する認知
ウ
努力することで成果をあげられるかについての期待
エ
報酬がもたらしうる満足の程度
出典: 中小企業診断協会|2020年度 第1次試験問題|企業経営理論(PDF)
解答
正解:イ
解説
ア:〇
成果と報酬の結びつきに関する認知は「道具性(Instrumentality)」に該当し、期待理論の要素である。
イ:× (不適切)
他者との比較による報酬認知は「公平理論(Equity Theory)」の要素であり、期待理論の要素ではない。したがって不適切。
ウ:〇
努力と成果の結びつきに関する期待は「期待(Expectancy)」に該当し、期待理論の要素である。
エ:〇
報酬がもたらす満足の程度は「誘意性(Valence)」に該当し、期待理論の要素である。
学習のポイント
- 期待理論の三要素:
・期待(Expectancy):努力すれば成果が得られるか。
・道具性(Instrumentality):成果が報酬につながるか。
・誘意性(Valence):報酬がどれだけ魅力的か。 - 公平理論との違い:
公平理論は「他者との比較による報酬の公平感」を扱う。期待理論は「努力→成果→報酬→満足」の因果連鎖を扱う。 - 試験対策のコツ:
「比較=公平理論」「連鎖=期待理論」と整理して区別する。