過去問解説(企業経営理論)_2020年(令和2年) 第20問

難易度・正答率・重要度

  • 難易度: ★★☆☆☆(職務特性モデルの基礎理解)
  • 正答率: ★★★★☆(正答率70%前後)
  • 重要度: ★★★☆☆(モチベーション理論の応用)

問題文

職務特性の代表的なモデルであるJ.R.ハックマンとG.R.オルダムのモデルに関する記述として、最も適切なものはどれか。


上司からのフィードバックの程度が低く、職務の自律性が高い場合、内発的動機づけが高まる。
職務が細分化され、他の職務への依存度が高い場合、その職務の有意義感は高まる。
職務に対する有意義感の実感、責任の実感、結果についての理解、の3つがそろうと、内発的動機づけが高まる。
成長欲求が高い従業員ほど、職務特性に関わりなく、内発的動機づけが高くなる。

出典: 中小企業診断協会|2020年度 第1次試験問題|企業経営理論(PDF)


解答

正解:ウ


解説

ア:×
 自律性が高くても、フィードバックが低い場合は成果の把握が困難で、内発的動機づけは十分に高まらない。

イ:×
 職務の細分化や依存度の高さは、むしろ有意義感を低下させる要因となる。

ウ:〇
 ハックマンとオルダムの職務特性モデルでは、
 ・職務の有意義感(技能多様性・タスク完結性・タスク重要性)
 ・責任の実感(自律性)
 ・結果の理解(フィードバック)
 の3つが揃うことで、内発的動機づけが高まるとされる。

エ:×
 成長欲求が高い従業員ほど職務特性の影響を強く受けるが、職務特性に関わらず常に高い動機づけを持つわけではない。


学習のポイント

  • 職務特性モデルの3つの心理状態:
    有意義感(技能多様性・タスク完結性・タスク重要性)、責任感(自律性)、成果の理解(フィードバック)。
    これらが揃うと内発的動機づけが高まる。
  • 成長欲求強度:
    成長欲求が高い従業員ほど、職務特性の影響を強く受ける。逆に低い場合は効果が限定的。
  • 試験対策のコツ:
    「有意義感+責任感+成果理解=内発的動機づけ」
    「成長欲求強度は効果の増幅要因」
    と整理して覚えるとよい。