過去問解説(企業経営理論)_2020年(令和2年) 第26問

難易度・正答率・重要度

  • 難易度: ★★☆☆☆(パワーハラスメント防止措置の用語確認)
  • 正答率: ★★★★☆(正答率70%前後)
  • 重要度: ★★★☆☆(雇用管理上の措置の趣旨理解)

問題文

次の文章は、「労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の充実等に関する法律」に定められた雇用管理上の措置等に関する記述である(同法附則「中小事業主に関する経過措置」により読み替えられたものである)。
文中の空欄A~Dに入る語句の組み合わせとして、最も適切なものを下記の解答群から選べ。


事業主は、職場において行われる A を背景とした言動であって、 B 範囲を超えたものによりその雇用する労働者の C が害されることのないよう、当該労働者からの D に応じ、適切に対応するために必要な体制の整備その他の雇用管理上必要な措置を講じるように努めなければならない。


〔解答群〕

A:育児休業制度の利用  B:母性健康配慮等の C:雇用継続の意思  D:申出
A:使用者の業務命令権  B:労働契約の内容の C:健康、安全    D:申告
A:性別による差別    B:社会通念上許容される C:職業生活    D:苦情
A:優越的な関係     B:業務上必要かつ相当な C:就業環境    D:相談

出典:中小企業診断協会|2020年度 第1次試験問題|企業経営理論(PDF)


解答

正解:エ


解説

  • 優越的な関係を背景とした言動で、業務上必要かつ相当な範囲を超えるものにより就業環境が害されないよう、労働者からの相談に応じて体制整備等の雇用管理措置を講じる、という趣旨に合致するのはエ。
  • 他選択肢は対象や用語の軸が異なる(育児休業制度や性別差別は別制度の文脈、申告・苦情よりも「相談」を用いるのが適切、就業環境の侵害が保護対象)。

学習のポイント

  • 制度の趣旨:
    職場でのパワーハラスメントを防止し、就業環境の侵害を防ぐため、事業主に相談対応と体制整備などの雇用管理上の措置を求める。
  • キー用語の対応:
    「優越的な関係」→背景、「業務上必要かつ相当」→許容基準、「就業環境」→保護対象、「相談」→窓口対応の表現。
  • 試験対策のコツ:
    用語のペアリングを覚える(背景=優越的、基準=必要かつ相当、対象=就業環境、対応=相談)。