過去問解説(経済学・経済政策)_2020年(R2年) 第12問

難易度・正答率・重要度

  • 難易度: ★★★☆☆(余剰分析と効率性)
  • 正答率: ★★★☆☆(図形の読み取り力が必要)
  • 重要度: ★★★★☆(資源配分と総余剰の理解)

問題文

下図では、需要曲線 D と供給曲線 S の交点 E に対応する生産量 Q₀ のもとで市場全体の経済余剰が最大化し、資源配分が効率的になる。反対に、Q₀ 以外の生産量では、資源配分は非効率的になる。

〔解答群〕

生産量が Q₁ のとき、点 E の場合と比べて、消費者余剰が三角形 EFG の分だけ少なくなるので、資源配分は非効率的になる。
生産量が Q₁ のとき、点 E の場合と比べて、生産者余剰は四角形 P₁FJP₀ の分だけ多くなるが、総余剰では三角形 EFJ だけ少なくなるので、資源配分は非効率的になる。
生産量が Q₂ のとき、点 E の場合と比べて、消費者余剰は四角形 P₀EIP₂ の分だけ多くなるが、総余剰では三角形 EHI だけ少なくなるので、資源配分は非効率的になる。
生産量が Q₂ のとき、点 E の場合と比べて、生産者余剰が四角形 P₀EGP₂ の分だけ少なくなるので、資源配分は非効率的になる。

出典: 中小企業診断協会|2020年度 第1次試験問題|経済学・経営政策(PDF)

解答

  • 正解:ウ

解説

  • ア:×
    Q₁では供給量が少なく、価格が高くなるため消費者余剰は減少するが、三角形EFGは消費者余剰の減少分ではなく、総余剰の損失部分。記述が不正確。
  • イ:×
    Q₁では生産者余剰が増加する部分もあるが、総余剰としては三角形EFJの分だけ減少し、非効率。ただし「P₁FJP₀の分だけ多くなる」は誤りで、P₁FJPは価格水準の違いを含むため不適切。
  • ウ:〇
    Q₂では供給過剰となり、価格が下がることで消費者余剰は一見増加するが、総余剰としては三角形EHIの分だけ損失が生じ、資源配分は非効率的になる。記述が正確。
  • エ:×
    Q₂では生産者余剰が減少するが、総余剰の損失は三角形EHIであり、P₀EGP₂は生産者余剰の減少分としては不正確。

学習のポイント

  • 効率的資源配分: 需要と供給の交点(均衡点)で総余剰が最大化される。
  • 過剰供給・過少供給: 均衡点から外れると、消費者・生産者余剰の一部が失われ、死荷重(デッドウェイトロス)が発生。
  • 図形の読み取り: 余剰の増減は三角形や四角形の面積で表現されるため、図形の意味を正確に把握することが重要。