難易度・正答率・重要度
- 難易度: ★★★☆☆(余剰分析と効率性)
- 正答率: ★★★☆☆(図形の読み取り力が必要)
- 重要度: ★★★★☆(資源配分と総余剰の理解)
問題文
下図では、需要曲線 D と供給曲線 S の交点 E に対応する生産量 Q₀ のもとで市場全体の経済余剰が最大化し、資源配分が効率的になる。反対に、Q₀ 以外の生産量では、資源配分は非効率的になる。

〔解答群〕
ア
生産量が Q₁ のとき、点 E の場合と比べて、消費者余剰が三角形 EFG の分だけ少なくなるので、資源配分は非効率的になる。
イ
生産量が Q₁ のとき、点 E の場合と比べて、生産者余剰は四角形 P₁FJP₀ の分だけ多くなるが、総余剰では三角形 EFJ だけ少なくなるので、資源配分は非効率的になる。
ウ
生産量が Q₂ のとき、点 E の場合と比べて、消費者余剰は四角形 P₀EIP₂ の分だけ多くなるが、総余剰では三角形 EHI だけ少なくなるので、資源配分は非効率的になる。
エ
生産量が Q₂ のとき、点 E の場合と比べて、生産者余剰が四角形 P₀EGP₂ の分だけ少なくなるので、資源配分は非効率的になる。
出典: 中小企業診断協会|2020年度 第1次試験問題|経済学・経営政策(PDF)
解答
- 正解:ウ
解説
- ア:×
Q₁では供給量が少なく、価格が高くなるため消費者余剰は減少するが、三角形EFGは消費者余剰の減少分ではなく、総余剰の損失部分。記述が不正確。 - イ:×
Q₁では生産者余剰が増加する部分もあるが、総余剰としては三角形EFJの分だけ減少し、非効率。ただし「P₁FJP₀の分だけ多くなる」は誤りで、P₁FJPは価格水準の違いを含むため不適切。 - ウ:〇
Q₂では供給過剰となり、価格が下がることで消費者余剰は一見増加するが、総余剰としては三角形EHIの分だけ損失が生じ、資源配分は非効率的になる。記述が正確。 - エ:×
Q₂では生産者余剰が減少するが、総余剰の損失は三角形EHIであり、P₀EGP₂は生産者余剰の減少分としては不正確。
学習のポイント
- 効率的資源配分: 需要と供給の交点(均衡点)で総余剰が最大化される。
- 過剰供給・過少供給: 均衡点から外れると、消費者・生産者余剰の一部が失われ、死荷重(デッドウェイトロス)が発生。
- 図形の読み取り: 余剰の増減は三角形や四角形の面積で表現されるため、図形の意味を正確に把握することが重要。