難易度・正答率・重要度
- 難易度: ★★★☆☆(労働供給の所得効果・代替効果)
- 正答率: ★★★☆☆(図の分解がポイント)
- 重要度: ★★★★☆(賃金変化と余暇選好)
問題文
働くことにより得られる所得と余暇のバランスを考えることは重要である。下図は、家計の所得と余暇の組み合わせについて、予算制約線と無差別曲線を用いて示したものである。賃金の上昇に伴う点Eから点Fへの移動に関する記述として、最も適切なものを下記の解答群から選べ。

〔解答群〕
ア
点Eから点Gへの変化は、実質所得の増加によって、正常財としての余暇の需要が増加する部分であり、「所得効果」という。
イ
点Eから点Gへの変化は、賃金の上昇によって、時間の配分が余暇から労働に切り替えられた部分であり、「代替効果」という。
ウ
点Gから点Fへの変化は、実質所得の増加によって、正常財としての余暇の需要が減少する部分であり、「所得効果」という。
エ
点Gから点Fへの変化は、賃金の上昇によって、時間の配分が労働から余暇に切り替えられた部分であり、「代替効果」という。
出典: 中小企業診断協会|2020年度 第1次試験問題|経済学・経営政策(PDF)
解答
- 正解:イ
解説
- ア:×
E→Gは「補償所得」を用いた代替効果の変化を示す区間。賃金上昇で余暇の機会費用が高まり、余暇から労働へと時間配分を切り替える(余暇減)。所得効果ではない。 - イ:〇
E→Gは賃金上昇に伴う代替効果。余暇の相対価格(機会費用)が上昇するため、余暇から労働へ代替し、余暇時間が減少、労働時間が増える。 - ウ:×
G→Fは所得効果。賃金上昇により実質所得が増え、正常財としての余暇需要が増加する(余暇増)ため、記述の「減少」は逆。 - エ:×
G→Fは代替効果ではなく所得効果。高い効用水準U₁上で、所得増により余暇需要が増える動き。
学習のポイント
- 代替効果(E→G): 賃金上昇で余暇の機会費用が高まり、余暇↓・労働↑。
- 所得効果(G→F): 実質所得増で余暇が正常財なら、余暇↑・労働↓。
- 総効果(E→F): 代替効果と所得効果の合成で決まる(後者が強ければバックワードベンディングもあり得る)。