過去問解説(経済学・経済政策)_2020年(R2年) 第16問

難易度・正答率・重要度

  • 難易度: ★★☆☆☆(総生産物曲線と限界生産)
  • 正答率: ★★★★☆(逓減する限界生産の直感)
  • 重要度: ★★★☆☆(労働需要の基礎)

問題文

下図は、資本量を一定とした場合の労働量と生産量の関係を示した総生産物曲線である。また、労働量と労働の限界生産物との関係は、労働需要曲線として描くことができる。

総生産物曲線上の点A、点B、点Cと対応関係にある労働需要曲線として、最も適切なものを下記の解答群から選べ。

〔解答群〕

労働の限界生産物が労働量の増加とともに低下する右下がりの曲線(A→B→Cで低下)。
労働の限界生産物が一定の水平線(A・B・Cが同じ限界生産)。
労働の限界生産物が労働量の増加とともに上昇する右上がりの曲線。
A・B・Cが垂直に並ぶ(限界生産が労働量に依存しない)図。

出典: 中小企業診断協会|2020年度 第1次試験問題|経済学・経営政策(PDF)

解答

  • 正解:ア

解説

  • ア:〇
    総生産物曲線が労働投入を増やすにつれて逓減する限界生産を示す(曲線は次第に平坦化)。したがって限界生産物(MPL)は労働量の増加とともに低下し、A→B→CでMPLが下がる右下がりの労働需要曲線が適合する。
  • イ:×
    水平線はMPLが労働量に依存せず一定であることを意味するが、総生産物曲線が逓減を示す限りMPL一定にはならない。
  • ウ:×
    右上がりはMPLが労働量とともに上昇することを示すが、固定資本のもとで労働を増やすと限界生産は通常低下する(限界生産逓減の法則)ため不適切。
  • エ:×
    A・B・Cの垂直整列は労働量に対するMPLの対応が不明確で、MPLが労働量に依存しない仮定と整合しない。図の総生産物曲線の形とも一致しない。

学習のポイント

  • 限界生産逓減の法則: 固定資本の下で労働投入を増やすほど、追加1単位の労働による産出増分(MPL)は低下する。
  • 労働需要曲線: 企業はMPL×価格=賃金となる点まで労働を需要するため、MPLの右下がり形状が労働需要の右下がりを生む。