過去問解説(経済学・経済政策)_2020年(R2年) 第23問

難易度・正答率・重要度

  • 難易度: ★★☆☆☆(公正性の基準の整理)
  • 正答率: ★★★★☆(定義理解で判定可能)
  • 重要度: ★★★☆☆(分配原理の基礎)

問題文

一般に公正性は、何をもって公正とするかの価値判断が必要とされるため、一義的に決めることは難しいが、公正性の貢献基準によれば、生産活動における各人の貢献の度合いに応じて所得が分配されるとき、公正性が実現する。

この貢献基準に関する記述として、最も適切なものの組み合わせを下記の解答群から選べ。

貢献基準は、すべての人々が平等に所得を得ることを前提としている。
貢献基準では、熟練労働者の方が未熟練労働者よりも、賃金水準が高くなる。
貢献基準では、資産をどのくらい保有しているかが考慮されている。
貢献基準では、社会的弱者を救済することは難しい。

〔解答群〕

aとc
aとd
bとc
bとd

出典:中小企業診断協会|2020年度 第1次試験問題|経済学・経営政策(PDF)

解答

  • 正解:エ(bとd)

解説

  • a:×
    貢献基準は各人の生産への貢献度に応じて所得を配分する考え方であり、「平等な所得」を前提としない(平等主義とは別の原理)。
  • b:〇
    熟練労働者は生産性(限界貢献)が高いため、貢献基準では未熟練より高い賃金が正当化される。
  • c:×
    資産保有量は貢献度そのものではなく、貢献基準の配分根拠に含まれない(資産基準は能力基準やニーズ基準とも異なる)。
  • d:〇
    低生産性や就業困難などの社会的弱者は「貢献度が低い」と評価されるため、貢献基準だけでは十分な救済が難しく、別途再分配政策が必要になる。

学習のポイント

  • 分配の3基準: 貢献基準(生産性)、平等基準(均等配分)、ニーズ基準(必要性)。
  • 貢献基準の含意: 生産性差に応じた賃金格差を正当化。救済には別の政策手段(税・移転)が不可欠。