過去問解説(運営管理)_2020年(令和2年) 第10問

難易度・正答率・重要度

  • 難易度: ★★★☆☆(在庫費用と段取り費の合算判断)
  • 正答率: ★★☆☆☆(計算力と計画の読み取り力が問われる)
  • 重要度: ★★★☆☆(生産計画とコスト最適化の基礎)

問題文

下表に示す7日間の需要量(個)に対する生産計画を考える。製品を生産する日には、生産に先立ち段取りが必要で、1回当たり段取り費3,000円が発生する。

また、生産した製品は当日以降の需要に充当することが可能であり、当日の場合は在庫保管費は発生しないが、翌日以降に繰り越す場合は、繰越在庫量に比例して、1個1日当たり10円の在庫保管費が発生する。

生産計画の案0は1日目に7日間の総需要量900個を生産する計画で、総費用(段取り費と在庫保管費の合計)は31,300円になる。

案1~4は総需要量900個を複数回に分けて生産する計画である。これらの中で総費用を最小にする案として、最も適切なものを下記の解答群から選べ。

〔解答群〕

案1
案2
案3
案4

出典: 中小企業診断協会|2020年度 第1次試験問題|運営管理(PDF)

解答

  • 正解:ウ

解説

需要量(1〜7日)=[150, 80, 120, 130, 70, 260, 90]
ルール:生産日ごとに段取り費3,000円。繰越在庫は「数量×日数×10円」。

案1

  • 在庫推移と保管費:
    ・1日目:生産350−需要150=在庫200 → 翌日保管費 200×10=2,000円
    ・2日目:在庫200−需要80=在庫120 → 翌日保管費 120×10=1,200円
    ・3日目:在庫120−需要120=在庫0 → 0円
    ・4日目:生産550−需要130=在庫420 → 翌日保管費 420×10=4,200円
    ・5日目:在庫420−需要70=在庫350 → 翌日保管費 350×10=3,500円
    ・6日目:在庫350−需要260=在庫90 → 翌日保管費 90×10=900円
    ・7日目:在庫90−需要90=在庫0 → 0円
  • 保管費合計=2,000+1,200+4,200+3,500+900=11,800円
  • 段取り費=2×3,000=6,000円
  • 総費用=17,800円

案2

  • 在庫推移と保管費:
    ・1日目:300−150=150 → 1,500円
    ・2日目:150−80=70 → 700円
    ・3日目:生産300+在庫70=370−120=250 → 2,500円
    ・4日目:250−130=120 → 1,200円
    ・5日目:120−70=50 → 500円
    ・6日目:生産300+在庫50=350−260=90 → 900円
    ・7日目:90−90=0 → 0円
  • 保管費合計=1,500+700+2,500+1,200+500+900=7,300円
  • 段取り費=3×3,000=9,000円
  • 総費用=16,300円

案3

  • 在庫推移と保管費:
    ・1日目:230−150=80 → 800円
    ・2日目:80−80=0 → 0円
    ・3日目:320−120=200 → 2,000円
    ・4日目:200−130=70 → 700円
    ・5日目:70−70=0 → 0円
    ・6日目:350−260=90 → 900円
    ・7日目:90−90=0 → 0円
  • 保管費合計=800+2,000+700+900=4,400円
  • 段取り費=3×3,000=9,000円
  • 総費用=13,400円(最小)

案4(毎日生産:1〜7日で各日の需要量と同数/生産回数7回)

  • 在庫はゼロ(当日充当)→ 保管費0円
  • 段取り費=7×3,000=21,000円
  • 総費用=21,000円

学習のポイント

  • 段取り費と在庫保管費のトレードオフを理解することが重要
  • 生産回数を減らすと段取り費は減るが、在庫保管費が増える
  • 生産回数を増やすと段取り費は増えるが、在庫保管費は減る
  • 最適な生産タイミングは、需要に近い日程で分散すること
  • 試験対策:表の読み取りと費用計算のロジックを素早く整理できる力が求められる