難易度・正答率・重要度
- 難易度: ★★★☆☆(統計的仮説検定の基本理解)
- 正答率: ★★☆☆☆(手順理解が必要)
- 重要度: ★★★☆☆(品質管理・統計的手法の基礎)
問題文
ある工場では、製品Aの加工精度のバラツキを抑制する目的で新設備を導入した。バラツキが抑制できたかどうかを仮説検定により確認するために、新設備を用いて生産した製品10個の加工精度を測定した。
このときに行う仮説検定の手順に関する記述として、最も適切なものはどれか。
ただし、従来の設備では、加工精度の分散が23.5であった。
〔解答群〕
ア
10個のデータの分散が23.5よりも小さいかどうかを調べる。
イ
検定統計量がF分布に従うことを利用して検定を行う。
ウ
検定統計量は10個のデータから計算される偏差平方和である。
エ
対立仮説、有意水準、データ数に基づいて、帰無仮説の棄却域を設定する。
オ
対立仮説を v2 ≠ 23.5 と設定する。
出典: 中小企業診断協会|2020年度 第1次試験問題|運営管理(PDF)
解答
- 正解:エ
解説(選択肢ごとの評価)
- ア:×
単に分散が23.5より小さいかどうかを調べるだけでは、統計的検定の手順を踏んでいない。仮説検定では「帰無仮説」「対立仮説」「有意水準」「棄却域」などを設定する必要がある。 - イ:×
分散の検定には通常「カイ二乗分布」を用いる。F分布は2つの分散比を比較する際に利用するため、本問の状況には適さない。 - ウ:×
検定統計量は「偏差平方和」そのものではなく、標本分散を母分散で割った形でカイ二乗分布に従う量を用いる。 - エ:〇
仮説検定の正しい手順は、帰無仮説と対立仮説を設定し、有意水準とデータ数に基づいて棄却域を決定すること。これが最も適切。 - オ:×
「母分散が23.5と異なる」という対立仮説の設定は誤り。分散の検定では「母分散=23.5」を帰無仮説とし、対立仮説は「母分散<23.5」や「母分散>23.5」など目的に応じて設定する。
学習のポイント
- 仮説検定の基本手順:
- 帰無仮説と対立仮説を設定する
- 有意水準を決める
- 検定統計量を算出する
- 棄却域を設定し、統計量が入るかどうかで判断する
- 分散の検定では「カイ二乗分布」を用いる。
- 品質管理の場面では、設備導入や工程改善の効果を確認するために仮説検定が活用される。