過去問解説(運営管理)_2020年(令和2年) 第35問

難易度・正答率・重要度

  • 難易度: ★★☆☆☆(予測手法の基礎)
  • 正答率: ★★★☆☆(用語の正誤を理解)
  • 重要度: ★★★☆☆(需要予測は定番論点)

問題文

需要予測に関する記述として、最も適切なものはどれか。

〔解答群〕

これから発売する新商品の需要の予測を行う場合には、移動平均法が適している。
指数平滑法を用いた需要予測は、当期の実績値と前期の実績値を加重平均して、次期の予測値を算出するものである。
重回帰分析による需要予測では、適切な変数を選択すれば、需要に影響を与える各変数の影響を回帰係数として推定できる。
重回帰分析を行うに当たって説明変数を選定する際には、各説明変数の間に高い相関が認められるものを選ぶ方が良い。
直前の需要の変化に対応した予測を行う場合には、指数平滑法を用いることができない。

出典: 中小企業診断協会|2020年度 第1次試験問題|運営管理(PDF)

解答

  • 正解:ウ

解説

  • ア:×
    移動平均法は過去データの平均で予測するため、発売前で十分な過去実績がない新商品には適さない。新商品は類似商品のアナロジー法や市場調査などを用いるのが一般的。
  • イ:×
    指数平滑法は「次期予測=前期予測+平滑化係数×(当期実績−前期予測)」で更新する。前期と当期の実績値の加重平均ではない。
  • ウ:〇
    重回帰分析は需要を目的変数とし、価格・販促・季節要因などの説明変数の影響を回帰係数として推定する。適切な変数選定と前提の確認が必要。
  • エ:×
    説明変数間に高い相関があると多重共線性が生じ、係数推定が不安定になる。高相関の変数は避けるか、統合・次元削減を検討する。
  • オ:×
    直近の変化に素早く追随したい場合こそ指数平滑法が有効。平滑化係数(α)を高くすれば新しいデータへの反応が早くなる。トレンドにはホルト法、季節にはホルト・ウィンター法を用いる。

学習のポイント

  • 移動平均法:安定系列の平滑化に有効、十分な過去データが前提。
  • 指数平滑法:最新データへの追随度をαで調整。変化に強い。
  • 重回帰分析:変数選定・前提(線形性、独立性、等分散性、正規性)と多重共線性の回避が重要。
  • トレンド・季節の扱い:ホルト(トレンド)、ホルト・ウィンター(季節)などの拡張指数平滑法。