過去問解説(経営法務)_2021年(R3年) 第5問

難易度・正答率・重要度

  • 難易度:★★★☆☆(表の読み取りと制度理解が必要。)
  • 正答率:★★★☆☆(正答率50〜70%。やや引っかけあり。)
  • 重要度:★★★☆☆(景品表示法関連は実務でも重要。)

問題文

下表は、不当景品類及び不当表示防止法(以下「景表法」という。)に基づく懸賞による景品類の提供に関する景品類の限度額をまとめたものである。空欄AとBに入る数値の組み合わせとして、最も適切なものを下記の解答群から選べ。

なお、本問においては、新聞業等の特定の業種に対する業種別の景品規制は考慮しないものとする。


景品類の限度額
最高額 ・取引価額にかかわらず → A 万円
・取引価額が5,000円未満の場合 → 取引価額の20倍
(景品類の)総額 ・共同懸賞 → 懸賞に係る売上予定総額の3%
・一般懸賞(取引価額が5,000円以上の場合) → B%
※ただし上限は10万円

〔解答群〕

  • ア A:30  B:2
  • イ A:30  B:3
  • ウ A:50  B:2
  • エ A:100  B:3

出典:中小企業診断協会|2021年度 第1次試験問題|経営法務(PDF)


解答

正解:ア
A:30万円、B:2%


解説

【前提】
本問は、景品表示法に基づく懸賞による景品類の提供に関する限度額の規制を問うもの。
「最高額」と「総額」の2軸で制限が設けられている。

【表の読み取り】

  • 最高額:
  • 取引価額にかかわらず → A:30万円
  • 取引価額が5,000円未満 → 取引価額の20倍
  • 総額:
  • 共同懸賞 → 売上予定総額の3%
  • 一般懸賞(5,000円以上)→ B:2%(上限10万円)

【選択肢の検討】

  • ア:A=30、B=2 → 正しい
  • イ:B=3 → 誤り(共同懸賞の割合と混同)
  • ウ:A=50 → 誤り(最高額は30万円)
  • エ:A=100 → 誤り(過大)

→ よって、正解は「ア」


学習のポイント

  • 景品表示法では、懸賞による景品提供に対して「最高額」と「総額」の両方に制限がある。
  • 「共同懸賞」と「一般懸賞」で規制内容が異なるため、区別が重要。
  • 最高額は一律30万円、または取引価額の20倍(5,000円未満の場合)。
  • 総額は、共同懸賞:3%、一般懸賞(5,000円以上):2%(上限10万円)。