難易度・正答率・重要度
- 難易度:★★★☆☆(DX推進の要諦)
- 正答率:★★★☆☆(方針の正誤)
- 重要度:★★★★☆(経営×ITの本質)
問題文
経済産業省は、「デジタルトランスフォーメーションを推進するためのガイドライン(DX推進ガイドライン)Ver.1.0」を平成30年12月に発表している。これは、DXの実現やその基盤となるITシステムの構築を行っていく上で経営者が押さえるべき事項を明確にすること、および取締役会や株主がDXの取り組みをチェックする上で活用できるものとすることを目的として作成されたものである。
この中で失敗ケースや先行事例がガイドラインとともに取り上げられているが、これらを踏まえた提言に合致する記述として、最も適切なものはどれか。
ア
DX推進に当たっては、トップダウンではなくボトムアップで行う。
イ
ITシステムのオーナーシップは、情報システム部門やベンダー企業が持つのではなく、事業部門が持つ。
ウ
技術起点でPoC(Proof of Concept)を行ってから経営戦略を立てる。
エ
刷新後のITシステムは、再レガシー化を回避するために、そのITシステムが短期間で構築できたかによって評価する。
オ
組織・人事の仕組みや企業文化・風土に影響を与えないで済むようにDXプロジェクトを進める。
出典: 中小企業診断協会|2021年度 第1次試験問題|経営情報システム(PDF)
解答
- 正解:イ(ITシステムのオーナーシップは事業部門が持つ)
解説(選択肢ごとの評価)
- ア:×
DXは経営課題に紐づく全社変革。トップのコミットメントを前提に推進するのが基本で、ボトムアップのみは不適。 - イ:〇
事業戦略に直結するため、ITの所有責任・意思決定は事業側が担い、情シスやベンダーはパートナーとして支援する体制が望ましい。 - ウ:×
技術起点のPoCから戦略を後付けするのは失敗要因。経営戦略起点で課題→KPI→要件→必要技術の順で進める。 - エ:×
成果の評価軸は価値創出と持続的な拡張性。構築期間の短さだけで評価すると再レガシー化リスクを見落とす。 - オ:×
DXは業務・組織・文化に変化を起こして初めて効果が出る。影響を避ける前提は本質から外れる。
学習のポイント
- 事業主導: 経営課題から要件定義へ。ITは手段であり、事業がオーナー。
- 戦略起点: 先にビジョン・KGI/KPIを定め、PoCは仮説検証のために位置づける。
- 評価軸: スピードだけでなく、拡張性・ガバナンス・再レガシー化防止を含めた価値基準で評価する。