過去問解説(企業経営理論)_2021年(令和3年) 第10問

難易度・正答率・重要度

  • 難易度: ★☆☆☆☆(SECIモデルの用語)
  • 正答率: ★★★★☆(正答率75%前後)
  • 重要度: ★★★☆☆(知識創造理論の定番)

第10問

次の文章は、野中郁次郎が提唱した「知識創造理論」に関する記述である。文中の空欄に入る用語として、最も適切なものを下記の解答群から選べ。

形式知と暗黙知の循環によって生み出される知識創造のプロセスには 4 つのモードがあり、そのうち、形式知から形式知への転換を      と呼ぶ。


〔解答群〕

共同化
統合化
内面化
表出化
連結化

出典:中小企業診断協会|2021年度 第1次試験問題|企業経営理論(PDF)


解答

正解:オ


解説

ア:×
 共同化は「暗黙知 → 暗黙知」。共同体験や徒弟制度などを通じて暗黙知を共有するプロセス。

イ:×
 統合化はSECIモデルの正式なモード名ではない。

ウ:×
 内面化は「形式知 → 暗黙知」。マニュアルや文書化された知識を学習・体験を通じて身体化するプロセス。

エ:×
 表出化は「暗黙知 → 形式知」。比喩やモデル化などを通じて暗黙知を言語化・可視化するプロセス。

オ:〇
 連結化は「形式知 → 形式知」。既存の形式知を編集・統合・体系化して新たな形式知を創出するプロセス。本問の「形式知から形式知」に該当。


学習のポイント

  • SECIモデルの4モード:
    共同化(暗黙→暗黙)/表出化(暗黙→形式)/連結化(形式→形式)/内面化(形式→暗黙)。
  • 連結化の具体例:
    既存レポートやデータベースの統合、ナレッジの再編集、ベストプラクティスの体系化。
  • 用語の紛らわしさ対策:
    「共同化=暗黙共有」「表出化=言語化」「連結化=統合・編集」「内面化=身体化」と短語で記憶。