過去問解説(企業経営理論)_2021年(令和3年) 第19問

難易度・正答率・重要度

  • 難易度: ★★☆☆☆(組織行動論の基礎)
  • 正答率: ★★★☆☆(正答率60%前後)
  • 重要度: ★★★☆☆(コンフリクト理論)

第19問

J.G.マーチ(J. G. March)とH.A.サイモン(H. A. Simon)は、コンフリクトを標準的意思決定メカニズムの機能不全としてとらえた。
組織におけるコンフリクトに関する記述として、最も適切なものはどれか。


意思決定に必要な情報の入手先が多様になると、組織の参加者間で認識の差異は小さくなるので、個人間コンフリクトは少なくなる。
組織全体の目標の操作性が低く、曖昧さが増すと、部門目標間の差異が許容される程度が高くなるので、部門間コンフリクトは少なくなる。
組織内にスラックが多く存在すると、部門間で共同意思決定の必要性が低下するので、コンフリクトは発生しにくくなる。
部門間コンフリクトが発生した場合、政治的もしくは交渉による解決策を見いだすことが、コンフリクトの原因の解消に有効である。

出典: 中小企業診断協会|2021年度 第1次試験問題|企業経営理論(PDF)


解答

正解:ウ


解説

ア:×
 情報源が多様になると、むしろ認識の差異が拡大し、個人間コンフリクトは増える傾向にある。記述は逆。

イ:×
 組織目標が曖昧になると、部門ごとに解釈が分かれ、部門間コンフリクトは増加する。記述は逆。

ウ:〇
 スラック(余剰資源)が多いと、部門間で資源配分をめぐる競合が緩和され、共同意思決定の必要性が低下するため、コンフリクトは発生しにくくなる。記述は正しい。

エ:×
 政治的・交渉的解決は一時的な妥協を導くが、根本的な原因解消にはつながらない。記述は不適切。


学習のポイント

  • コンフリクトの原因
    情報の多様化や目標の曖昧さは、むしろ認識の差異や部門間の対立を増幅させる。
  • スラックの役割
    組織内に余剰資源があると、資源配分をめぐる競争が緩和され、コンフリクトは減少する。
  • 解決方法の限界
    政治的・交渉的手段は妥協を生むが、根本的な原因解消にはならない。
  • 試験対策のコツ
    「スラック=コンフリクト緩和」と覚えると正答にたどり着きやすい。