過去問解説(企業経営理論)_2021年(令和3年) 第33問

難易度・正答率・重要度

  • 難易度: ★★☆☆☆(インターネット広告の基礎理解)
  • 正答率: ★★★★☆(正答率70%前後)
  • 重要度: ★★★☆☆(広告モデルの理解)

第33問

インターネット広告に関する記述として、最も適切なものはどれか。


インターネット広告では広告主と媒体社との間に、さまざまな技術に基づくサービスを提供する多様なプレーヤーが存在し、極めて複雑な業界構造となっている。このような状況は消費者にはメリットがないため、広告主はこれらのプレーヤーを介さずに、できる限り媒体社と直接やりとりをすることが望ましい。
インターネット広告においてインプレッションは広告の総配信回数を示す指標である。従来の広告で用いられてきた、ターゲット全体の何%に広告が到達したかを示すリーチという指標は、インターネット広告には適さない。
インターネット広告の表示をブロックするアドブロックをすべての消費者が導入すると、広告料収入に支えられている多くのビジネスモデルが成り立たなくなり、インターネット上の多くの無料サービスが有償化する可能性もある。アドブロックへの対策として、消費者が見たくなるような広告を提供することも有効である。
企業が自社サイト内に掲出するコンテンツは一般的にはインターネット広告には含まれない。インターネット広告から自社コンテンツにリンクを張ると、消費者がインターネット広告と自社コンテンツとを一体として広告と捉える危険性があるため、このようなリンクはほとんど用いられていない。
従来のテレビ、新聞などのマスメディアに出稿される広告では、同じ番組やコンテンツを見ているすべての消費者は同じ広告を見ていた。これに対してインターネット広告では、コンテンツと広告を切り離す試みが行われているが現状では難しい。このため同じ Web サイトやコンテンツを見ているすべての消費者は、基本的に同じ広告を見ているのが現状である。

出典: 中小企業診断協会|2021年度 第1次試験問題|企業経営理論(PDF)


解答

正解:ウ


解説

ア:×
 広告主と媒体社の間に存在するアドネットワークやDSP、SSPなどのプレーヤーは、ターゲティング精度や広告効果の向上に寄与している。消費者にも関連性の高い広告が届くメリットがあるため、排除すべきものではない。

イ:×
 インプレッションは広告の表示回数を示すが、リーチもインターネット広告で重要な指標である。ターゲット全体に対する到達度を測るリーチはオンラインでも活用されている。

ウ:〇
 アドブロックが普及すると広告収入に依存する無料サービスの存続が難しくなる。対策として、ユーザーにとって有益で魅力的な広告を提供する「見たくなる広告」への転換が有効である。

エ:×
 自社サイトのコンテンツは広告そのものではないが、広告からのリンクは一般的に広く用いられている。広告とコンテンツを一体と捉える危険性を理由に避けることはない。

オ:×
 インターネット広告はユーザー属性や行動履歴に基づき、同じコンテンツを見ていても異なる広告が表示されるのが特徴。すべての消費者が同じ広告を見るわけではない。


学習のポイント

  • インターネット広告の構造
    多様なプレーヤー(DSP、SSP、アドネットワーク等)が介在し、広告効果の最適化を実現している。
  • 主要指標
    インプレッション=表示回数、リーチ=到達人数。どちらも重要であり、オンライン広告でも活用される。
  • アドブロックの影響
    無料サービスの収益基盤を揺るがす可能性がある。ユーザー体験を損なわない広告設計が求められる。
  • 広告のパーソナライズ
    インターネット広告は同じページでもユーザーごとに異なる広告が表示される点がマスメディア広告と大きく異なる。
  • 試験対策のコツ
    「広告の仕組み=複雑だが合理性あり」「指標=インプレッションとリーチ両方重要」「アドブロック=無料サービスへの影響」という整理で押さえる。