過去問解説(経済学・経済政策)_2021年(R3年) 第12問

難易度・正答率・重要度

  • 難易度: ★★☆☆☆(成長会計の基本)
  • 正答率: ★★★★☆(定義の取り違えに注意)
  • 重要度: ★★★☆☆(TFPの概念理解)

問題文

全要素生産性(TFP)に関する記述として、最も適切な組み合わせを下記の解答群から選べ。

新しい技術の開発は、全要素生産性を上昇させる要因のひとつである。
経済成長率=(労働分配率×労働生産性の成長率)+(資本分配率×資本投入の成長率)+全要素生産性の成長率、である。
生産要素の投入量が一定であったとしても、全要素生産性が上昇すると、生産量は増加する。
全要素生産性は、生産量を労働投入量で除した値である。

〔解答群〕

aとb
aとbとc
aとc
aとcとd
bとcとd

出典:中小企業診断協会|2021年度 第1次試験問題|経済学・経営政策(PDF)

解答

  • 正解:ウ(aとc)

解説

  • a:〇
    技術革新や効率改善は、既存の労働・資本投入から得られる産出を増やし、TFPを押し上げる。
  • b:×
    成長会計の基本式は「経済成長率=労働分配率×労働投入の成長率+資本分配率×資本投入の成長率+TFP成長率」。労働“生産性”の成長率を直接掛ける式ではない。
  • c:〇
    労働・資本の投入量が一定でも、TFPが上がれば同じ投入からより多くの産出が得られるため、生産量は増加する。
  • d:×
    生産量を労働投入で割った値は「労働生産性」。TFPは複数要素の効率を表す残差(ソローの残差)であり、単純な比率ではない。

学習のポイント

  • TFPの正体: 技術進歩や組織・制度の改善など、投入量では説明できない産出の伸び。
  • 正しい式: 経済成長=投入(労働・資本)の寄与+TFPの寄与。
  • 混同に注意: 労働生産性(産出/労働)とTFPは別物。