過去問解説(経済学・経済政策)_2021年(R3年) 第15問

難易度・正答率・重要度

  • 難易度: ★★☆☆☆(無差別曲線の性質)
  • 正答率: ★★★★☆(定義理解で解ける)
  • 重要度: ★★★☆☆(負の財の扱い)

問題文

下図のような形状をした無差別曲線に関する記述として、最も適切な組み合わせを下記の解答群から選べ。

X財がおにぎり、Y財がサンドイッチのように、不完全であるが代替可能性のある2財の関係を示している。
X財がお弁当、Y財が容器ゴミのように、通常の財と負の財の関係を示している。
この無差別曲線上におけるX財とY財の組み合わせでは、得られる効用は一定である。
この無差別曲線を右に行くほど、X財を1単位増やすために減らさなければならないY財の量は増加する。

〔解答群〕

aとc
aとcとd
bとc
bとcとd
bとd

出典:中小企業診断協会|2021年度 第1次試験問題|経済学・経営政策(PDF)

解答

  • 正解:ウ(bとc)

解説

  • a:×
    図の無差別曲線は凸型だが、設問のポイントは「Y財が負の財」に読み替えられるかどうかであり、aの説明は標準的な代替関係の例示に留まり、この図の前提(負の財の可能性)には合致しない。
  • b:〇
    通常の財(お弁当)と負の財(容器ゴミ)の関係では、より多くの負の財を持つほど効用は低下するため、同じ効用を保つには通常財を増やす必要がある。これに対応して無差別曲線は右上がりの形状(負の財軸方向に増えるほど、もう一方の財も増やす必要)をとる。
  • c:〇
    無差別曲線上のすべての点は同一効用水準を表すため、X財とY財の組み合わせによらず効用は一定。
  • d:×
    標準的な凸型無差別曲線では、右に進むほど限界代替率(MRS)は逓減するのが通常であり、X財1単位増加に必要なY財の減少量はむしろ小さくなる。

学習のポイント

  • 負の財の直感: 負の財が増えるほど効用は下がるため、同効用を維持するには通常財を増やす必要がある(右上がりの無差別曲線)。
  • 凸性とMRS逓減: 凸型の無差別曲線では右に行くほどMRSは逓減する。
  • 無差別曲線の基本: 曲線上の効用は一定。完全代替は直線、完全補完はL字型、標準的な財は原点に対して凸。