過去問解説(財務・会計)_2021年(令和3年) 第17問

難易度・正答率・重要度

  • 難易度: ★★☆☆☆(MM理論の要点理解)
  • 正答率: ★★★★☆(基礎概念の整理で正答可能)
  • 重要度: ★★★☆☆(企業財務の重要概念)

問題文

モジリアーニとミラーの理論(MM 理論)に基づく資本構成に関する記述として、最も適切なものはどれか。

自己資本による資金調達はコストが生じないので、負債比率が低下するほど企業価値は増加する。
倒産リスクの高低は、最適資本構成に影響する。
負債比率が非常に高くなると、自己資本コストは上昇するが、負債コストは影響を受けない。
法人税が存在する場合、負債比率の水準は企業価値に影響しない。

出典: 中小企業診断協会|2021年度 第1次試験問題|財務・会計(PDF)

解答

正解:


解説

  • ア:×
    自己資本にも投資家の期待収益率という資本コストがある。負債比率の低下が企業価値を必ず増加させるわけではない。
  • イ:〇
    現実のMM理論(税・破産コスト・エージェンシーを考慮)では、倒産リスク(財務的困難のコスト)は最適資本構成に影響し、過度の負債は企業価値を毀損しうる。
  • ウ:×
    レバレッジが高まると自己資本コストは上昇するだけでなく、負債コストも信用リスク増大により通常は上昇する。
  • エ:×
    法人税が存在すると負債の利息は損金算入されるため、負債にはタックスシールド効果があり、負債比率は企業価値に影響する。

学習のポイント

  • MM理論の骨子
    完全市場では資本構成は企業価値に中立だが、税や破産コストを考慮すると最適資本構成が存在しうる。
  • タックスシールドと破産コスト
    負債は税効果で価値を高める一方、過大負債は破産コスト・エージェンシーコストで価値を下げる。
  • 試験対策
    「税あり=負債に正の効果」「過度の負債=負の効果」の二点を押さえる。