過去問解説(財務・会計)_2021年(令和3年) 第19問

難易度・正答率・重要度

  • 難易度: ★★★☆☆(投資評価の指標選択)
  • 正答率: ★★★☆☆(NPVと収益性指数の基礎理解が鍵)
  • 重要度: ★★★★☆(資本予算の定番論点)

問題文

当社は設備A~Cの導入を比較検討している。各設備の初期投資額ならびに将来の現金収支の現在価値合計は、以下のとおりである。
正味現在価値法を用いた場合と、収益性指数法を用いた場合で、それぞれどの設備への投資案が採択されるか。最も適切な組み合わせを下記の解答群から選べ。なお、設備A~Cへの投資案は相互排他的である。

設備 初期投資額(万円) 現金収支の現在価値合計(万円)
設備A 4,400 5,500
設備B 5,000 6,500
設備C 4,000 5,400

〔解答群〕

正味現在価値法:設備A  収益性指数法:設備B
正味現在価値法:設備A  収益性指数法:設備C
正味現在価値法:設備B  収益性指数法:設備B
正味現在価値法:設備B  収益性指数法:設備C
正味現在価値法:設備C  収益性指数法:設備B

出典: 中小企業診断協会|2021年度 第1次試験問題|財務・会計(PDF)

解答

正解:エ(正味現在価値法:設備B/収益性指数法:設備C)


計算

  • 設備A
  • 正味現在価値(NPV)= 5,500 − 4,400 = 1,100(万円)
  • 収益性指数(PI)= 5,500 ÷ 4,400 = 1.25
  • 設備B
  • NPV = 6,500 − 5,000 = 1,500(万円)
  • PI = 6,500 ÷ 5,000 = 1.30
  • 設備C
  • NPV = 5,400 − 4,000 = 1,400(万円)
  • PI = 5,400 ÷ 4,000 = 1.35

判断

  • 正味現在価値法: 最大NPVを採択 → 設備B(1,500)
  • 収益性指数法: 最大PIを採択 → 設備C(1.35)

学習のポイント

  • 指標の違い
  • NPV: 規模を含めた絶対額の価値増加を評価。相互排他案件では一般にNPV優先。
  • PI: 投下1単位あたりの収益性を評価。予算制約がある場合のランク付けに有用。
  • 相互排他案件の注意
    規模差があるとPIの順位とNPVの順位が食い違うことがある。相互排他ならNPVを基本線に。