難易度・正答率・重要度
- 難易度: ★★★☆☆(ポートフォリオ理論の理解)
- 正答率: ★★★☆☆(CAPMの基礎を理解していれば正答可能)
- 重要度: ★★★★☆(証券投資論の頻出論点)
問題文
証券投資論に関する記述として、最も適切なものはどれか。ただし、投資家はリスク回避的であり、安全資産への投資が可能であるものとする。
ア
効率的フロンティアは、安全資産より期待収益率の高いポートフォリオすべての集合である。
イ
最適なリスク・ポートフォリオは、投資家のリスク回避度とは無関係に決まる。
ウ
市場ポートフォリオの有するリスクは、すべてのポートフォリオの中で最小である。
エ
投資家のリスク回避度は、効率的フロンティアに影響を与える。
出典: 中小企業診断協会|2021年度 第1次試験問題|財務・会計(PDF)
解答
正解:イ(最適なリスク・ポートフォリオは、投資家のリスク回避度とは無関係に決まる)
解説
- ア:×
効率的フロンティアは「与えられたリスク水準で期待収益率が最大となるポートフォリオの集合」であり、安全資産より高い収益率の集合ではない。 - イ:〇
投資家がリスク回避的で安全資産が存在する場合、最適なリスク資産の組み合わせ(最適リスク・ポートフォリオ)はすべての投資家に共通して決まる(分離定理)。投資家ごとのリスク回避度は、安全資産とリスク資産の配分比率に影響するだけである。 - ウ:×
市場ポートフォリオは「効率的フロンティア上の接点」であり、リスクが最小というわけではない。リスク最小は「最小分散ポートフォリオ」である。 - エ:×
投資家のリスク回避度は効率的フロンティアそのものには影響を与えない。効率的フロンティアは市場データ(リスク・リターン特性)で決まる。
学習のポイント
- 分離定理
投資家のリスク回避度に関わらず、最適なリスク資産の組み合わせは共通(最適リスク・ポートフォリオ)。
投資家ごとの差は「安全資産とリスク資産の比率」に現れる。 - 効率的フロンティア
リスクとリターンの最適な組み合わせを示す曲線。投資家の選好はこの上から選ばれる。 - 試験対策
「効率的フロンティア=市場データで決まる」「投資家のリスク回避度=配分比率に影響」と整理しておくと混乱しない。