難易度・正答率・重要度
- 難易度: ★★★☆☆(二段階成長モデルの応用)
- 正答率: ★★★☆☆(計算過程を正しく追えるかがポイント)
- 重要度: ★★★★☆(株価評価の典型論点)
問題文
D社の次期(第2期)末の予想配当は1株44円である。その後、次々期(第3期)末まで1年間の配当成長率は10%、それ以降の配当成長率は2%で一定とする。なお、自己資本コストは10%である。
当期(第1期)末の理論株価として、最も適切なものはどれか。
ア
540 円
イ
590 円
ウ
645 円
エ
649 円
出典: 中小企業診断協会|2021年度 第1次試験問題|財務・会計(PDF)
解答
正解:イ(590円)
解説
- 第2期末の配当(与えられている値)
44円 - 第3期末の配当(1年間10%成長)
44 × 1.10 = 48.4円 - 第4期以降の配当(成長率2%で一定)
48.4 × 1.02 = 49.368円 - 第3期末の株価(定常成長モデル)
第3期末株価 = 第4期配当 ÷(自己資本コスト − 成長率)
49.368 ÷ (0.10 − 0.02) = 49.368 ÷ 0.08 = 約617.1円 - 第1期末の理論株価(現在価値に割り引く)
- 第2期末配当の現在価値
44 ÷ 1.10 = 40.0円 - 第3期末の「配当+株価」の現在価値
(48.4 + 617.1) ÷ 1.10²
665.5 ÷ 1.21 = 約550.0円 - 合計 = 40.0 + 550.0 = 590円
学習のポイント
- 二段階成長モデル
初期数年間は高成長、その後は安定成長と仮定するモデル。 - 計算のコツ
成長率が変わるタイミングで「株価を分けて計算」する。
割引現在価値を一つずつ積み上げる。