過去問解説(企業経営理論)_2022年(令和4年) 第11問

難易度・正答率・重要度

  • 難易度: ★★☆☆☆(海外進出形態の基礎)
  • 正答率: ★★★★☆(正答率70%前後)
  • 重要度: ★★★☆☆(国際経営の基本知識)

問題文

企業が海外に進出する際の形態に関する記述として、最も適切なものはどれか。


完全子会社を新設し、海外市場に進出する形態をブラウンフィールドと呼び、1980 年代に日本企業が海外に進出するとき、この方法が多用された。
企業が他の国の会社を買収することをクロスボーダー企業買収と呼び、海外進出形態の中で最も時間のかかる参入方法である。
戦略的提携による海外進出とは、提携に参加するすべての企業が出資をした上で、進出国のパートナーと進出国で事業を行うことである。
ライセンス契約で海外進出をする場合、契約が失効した後、ライセンシーがライセンサーの競合企業となるリスクがある。

出典:中小企業診断協会|2022年度 第1次試験問題|企業経営理論(PDF)


解答

正解:エ


解説

ア:×
 新設子会社による進出は「グリーンフィールド投資」と呼ばれる。ブラウンフィールドは既存施設を活用する形態。

イ:×
 クロスボーダーM&Aは国境を越えた企業買収のこと。むしろ即時参入が可能で、時間がかかるのは新設子会社(グリーンフィールド)。

ウ:×
 戦略的提携は必ずしも出資を伴わない。出資して共同事業体を設立するのは「ジョイントベンチャー」。

エ:〇
 ライセンス契約は知的財産を利用させる方式。契約終了後にライセンシーが競合化するリスクがあり、典型的な留意点。


学習のポイント

  • グリーンフィールド投資
    新設子会社を設立して進出。時間とコストはかかるが、自社の統制が効きやすい。
  • ブラウンフィールド投資
    既存の現地企業や施設を活用して進出。スピードは速いが制約も多い。
  • クロスボーダーM&A
    海外企業を買収して即時参入。スピードは速いが統合リスクが大きい。
  • 戦略的提携とジョイントベンチャー
    戦略的提携=出資を伴わない協力関係も含む。ジョイントベンチャー=出資して新会社を設立。
  • ライセンス契約の留意点
    知財利用を許諾する方式。契約終了後に競合化するリスクがあるため、契約条件や知財管理が重要。