過去問解説(企業経営理論)_2022年(令和4年) 第12問

難易度・正答率・重要度

  • 難易度: ★☆☆☆☆(基礎知識問題)
  • 正答率: ★★★★☆(正答率75%前後)
  • 重要度: ★★★☆☆(CSR・国際規格の基本)

問題文

次の文章の空欄に入る記述として、最も適切なものを下記の解答群から選べ。

ISO(国際標準化機構)は、企業の社会的責任(CSR)に関する国際規格である ISO26000 を 2010 年に発行した。ISO26000 は、________である。


〔解答群〕

ISO 独自の規格であり、日本産業規格(JIS)には対応する規格が存在しない
環境マネジメントの規格である ISO14000 のように、マネジメント・システムに関する認証規格である
業種を問わず利用できるガイダンス規格である
その特性から、売上高 10 億米ドル以上の企業に限定して適用される
その特性から、株式会社に限って適用される

出典:中小企業診断協会|2022年度 第1次試験問題|企業経営理論(PDF)


解答

正解:ウ


解説

ア:×
 ISO26000は日本産業規格(JIS Q 26000)としても発行されているため、「対応規格が存在しない」という記述は誤り。

イ:×
 ISO26000は認証規格ではなく、マネジメントシステム規格でもない。審査や認証を受けることはできない。

ウ:〇
 ISO26000はCSRに関する「ガイダンス規格」であり、業種・規模・地域を問わず利用可能。

エ:×
 売上高や企業規模による適用制限はない。中小企業や非営利組織も利用できる。

オ:×
 株式会社に限定されず、あらゆる組織(公的機関・NPOなど)に適用可能。


学習のポイント

  • ISO26000の位置づけ
    CSR(企業の社会的責任)に関する国際規格。認証取得を目的とせず、行動指針を示す。
  • ガイダンス規格の特徴
    認証審査を伴わず、組織が自主的に活用できる。業種・規模・地域を問わない。
  • JIS Q 26000
    日本でも対応規格が制定されており、国内外で共通のCSR指針として利用可能。
  • 試験対策のコツ
    「ISO26000=CSR」「ガイダンス規格」「認証なし」「業種・規模を問わない」というキーワードを押さえる。