過去問解説(企業経営理論)_2022年(令和4年) 第35問

難易度・正答率・重要度

  • 難易度: ★☆☆☆☆(消費者行動の基礎)
  • 正答率: ★★★★☆(正答率75%前後)
  • 重要度: ★★★☆☆(新しい消費スタイルの理解)

第35問

近年のデジタル社会の進展は、デジタルに慣れ親しんだ世代を中心に、それ以前の世代の生活者とは異なる消費スタイルを形成しつつある。 このような今日の新たな消費スタイルを特徴づける記述として、最も適切なものはどれか。


移り気で気まぐれなソリッド消費
カタチあるモノに対する執着
消費を通じての一貫したアイデンティティの形成
脱物質主義
長期的な所有を通じた商品やブランドへの愛着や安心感の獲得

出典:中小企業診断協会|2022年度 第1次試験問題|企業経営理論(PDF)


解答

正解:エ


解説

ア:×
 「ソリッド消費」という用語は一般的ではなく、むしろ現代の消費は「シェアリング」「サブスクリプション」など流動的・非所有型が特徴。

イ:×
 モノへの執着は従来型の物質主義的消費スタイル。デジタル世代の特徴とは逆。

ウ:×
 消費を通じたアイデンティティ形成は一部に見られるが、現代のデジタル消費の本質的特徴とは言い難い。

エ:〇
 デジタル社会の進展に伴い、モノの所有よりも体験・サービス・アクセスを重視する「脱物質主義」が新しい消費スタイルの特徴。シェアリングエコノミーやサブスク利用が典型例。

オ:×
 長期的所有による愛着は従来型の消費価値観であり、現代の「非所有・体験重視」とは対照的。


学習のポイント

  • 脱物質主義の特徴
    モノの所有よりも「利用」「体験」「アクセス」に価値を置く。
  • 関連する消費スタイル
    ・シェアリングエコノミー(カーシェア、民泊など)
    ・サブスクリプション(音楽・動画配信、ソフト利用)
    ・デジタル消費(電子書籍、クラウドサービス)
  • 従来型との対比
    ・従来:所有=安心・地位・愛着
    ・現代:非所有=利便性・柔軟性・体験価値
  • 試験対策のコツ
    「デジタル世代=非所有・体験重視」「脱物質主義」というキーワードを押さえる。