難易度・正答率・重要度
- 難易度: ★★☆☆☆(乗数の計算と理解)
- 正答率: ★★★★☆(定番計算問題)
- 重要度: ★★★☆☆(財政政策の効果)
問題文
生産物市場の均衡条件が、次のように表されるとする。
- 生産物市場の均衡条件:Y = C + I + G
- 消費関数:C = 10 + 0.8Y
- 投資支出:I = 30
- 政府支出:G = 60
ただし、Yは所得、Cは消費支出、Iは投資支出、Gは政府支出である。
いま、貯蓄意欲が高まって、消費関数が C = 10 + 0.75Y になったとする。このときの政府支出乗数の変化に関する記述として、最も適切なものはどれか。
ア
貯蓄意欲が高まったとしても、政府支出乗数は4のままであり、変化しない。
イ
貯蓄意欲が高まったとしても、政府支出乗数は5のままであり、変化しない。
ウ
貯蓄意欲の高まりによって、政府支出乗数は4から5へと上昇する。
エ
貯蓄意欲の高まりによって、政府支出乗数は5から4へと低下する。
出典:中小企業診断協会|2022年度 第1次試験問題|経済学・経営政策(PDF)
解答
- 正解:エ(a:×/b:×/c:×/d:〇)
解説(乗数の計算と変化)
政府支出乗数は「1 ÷(1 − 限界消費性向)」で求めらる。
初期状態(限界消費性向が0.8のとき):
1 ÷(1 − 0.8)= 1 ÷ 0.2 = 5
消費性向が0.75に低下した場合:
1 ÷(1 − 0.75)= 1 ÷ 0.25 = 4
つまり、貯蓄意欲が高まり消費性向が下がると、政府支出乗数は「5から4へと低下」する。
各選択肢の正誤
- a:×
乗数は変化する。4のままではない。 - b:×
初期乗数は5であり、変化する。 - c:×
乗数は上昇ではなく、低下する。 - d:〇
乗数は5から4へと低下する。正しい。
学習のポイント
- 限界消費性向が高いほど、乗数は大きくなる。
- 限界消費性向が下がる(=貯蓄が増える)と、乗数は小さくなる。
- 乗数は「政府支出の効果の大きさ」を示す指標であり、消費性向の変化に敏感。