難易度・正答率・重要度
- 難易度: ★★★☆☆(45度線図と乗数効果)
- 正答率: ★★★☆☆(図形と式の対応)
- 重要度: ★★★☆☆(財政政策とGDP決定)
問題文
下図は、45度線図である。この図において、総需要は AD = C + I + G(ただし、AD は総需要、C は消費支出、I は投資支出、G は政府支出)、消費関数は C = C₀ + cY(ただし、C₀ は基礎消費、c は限界消費性向(0 < c < 1)、Y は GDP)によって表されるとする。図中における Y₀ は現実の GDP、Yᶠ は完全雇用 GDPである。
この図に基づいて、下記の設問に答えよ。

(設問1)
この図に関する記述の正誤の組み合わせとして、最も適切なものを下記の解答群から選べ。
a
総需要線 AD の傾きは、c に等しい。
b
投資支出1単位の増加によるGDPの増加は、政府支出1単位の増加によるGDPの増加より大きい。
c
総需要線 AD の縦軸の切片の大きさは、C₀である。
〔解答群〕
ア
a:正 b:正 c:誤
イ
a:正 b:誤 c:正
ウ
a:正 b:誤 c:誤
エ
a:誤 b:正 c:誤
オ
a:誤 b:誤 c:正
(設問2)
GDPの決定に関する記述として、最も適切なものはどれか。
ア
ADF − AD₀ の大きさだけの政府支出の増加によって、完全雇用 GDP を実現できる。
イ
ADF − AD₁ の大きさだけの政府支出の増加によって、完全雇用 GDP を実現できる。
ウ
ADF − AD₂ の大きさだけの政府支出の増加によって、完全雇用 GDP を実現できる。
エ
AD₀ − AD₁ の大きさだけの政府支出の増加によって、完全雇用 GDP を実現できる。
オ
AD₀ − AD₂ の大きさだけの政府支出の増加によって、完全雇用 GDP を実現できる。
出典:中小企業診断協会|2022年度 第1次試験問題|経済学・経営政策(PDF)
解答
- 設問1:ウ(a:〇/b:×/c:×)
- 設問2:エ
解説(設問1)
- a:〇
総需要ADは「AD = C₀ + cY + I + G」であり、Yに対する傾きは限界消費性向cに等しい。 - b:×
投資支出も政府支出も、乗数効果は同じ(限界消費性向に依存)。1単位あたりのGDP増加は等しい。 - c:×
縦軸切片は「C₀ + I + G」であり、C₀単独ではない。
解説(設問2)
- 完全雇用GDP(Yᶠ)を達成するには、AD₀からADᶠまで総需要を引き上げる必要がある。
- 政府支出の増加によってAD₀からADᶠへ移動するには、AD₀とAD₁の差分だけ政府支出を増やせばよい。
- よって、正解は「エ:AD₀ − AD₁ の大きさだけの政府支出の増加」。
学習のポイント
- 45度線図: 総需要曲線とY=ADの均衡点を視覚的に示す。
- 限界消費性向c: 総需要曲線の傾きに直結。
- 乗数効果: 政府支出・投資支出ともに同じ乗数でGDPに影響。
- 切片の構成: C₀(基礎消費)+I+Gが縦軸切片。