過去問解説(運営管理)_2022年(令和4年) 第3問

難易度・正答率・重要度

  • 難易度: ★★★☆☆(設計用語の定義と解釈の揺れ)
  • 正答率: ―(全員正解)
  • 重要度: ★★★☆☆(製品設計・生産設計の役割整理)

解答

  • 全員正解
    -正解となる選択肢の組み合わせが存在しないため。

解説

各記述の正誤を検証すると、以下のようになる。

a:誤(または定義不明確) 記述では「材料調達から出荷までのライフサイクル全体」としているが、環境マネジメントにおける「ライフサイクル全体(ゆりかごから墓場まで:Cradle to Grave)」は、通常、使用、廃棄、リサイクルまでを含む。出荷まで(ゆりかごからゲートまで:Cradle to Gate)を「全体」と表現するのは不適切であるため、誤りと考えられる。

b:誤 製品設計は一般に「機能設計」→「構造設計」と進む。

  • 機能設計:製品に要求される機能や性能(スペック)を決定すること。
  • 構造設計:機能を具現化するための形状、寸法、材質などの具体的な構造を決定すること。 記述では「機能設計で…具体的な構造が決定される」としているが、これは構造設計の説明であるため、誤りである。

c:定義による(曖昧) 記述内容は、製品をどうやって作るかを決める**「工程設計(Process Design)」**の説明である。 「生産設計(Production Design)」という用語は、広義には工程設計を含む場合もあるが、狭義には「生産しやすいように図面や仕様を調整すること(Design for Manufacturing)」を指すことが多い。このため、正誤の判断が定義に依存し曖昧である。

d:誤 製品設計と生産設計(工程設計)を並行して行い、期間短縮を図る手法は**「コンカレント・エンジニアリング」**である。「エンジニアリング・アプローチ」という用語は一般的ではなく、この手法の名称として不適切であるため、誤りである。

【結論】 上記分析により、少なくとも a、b、d は「誤」 である可能性が高い。 しかし、選択肢を見ると:

  • ア(a:正 b:正 …)
  • イ(a:正 …)
  • ウ(a:誤 b:正 …)
  • エ(a:誤 b:正 …)
  • オ(a:誤 b:誤 c:誤 d:正

「a:誤、b:誤、d:誤」 という組み合わせの選択肢が存在しない。 (※選択肢オは dを「正」としているため不適)

学習のポイント

没問ではあるが、問われている用語自体は非常に重要である。正しい定義を覚えておきたい。

  • コンカレント・エンジニアリング
    • 製品設計と工程設計(生産準備)を同時並行的に進めることで、開発期間(リードタイム)の短縮や、後工程での手戻りを防ぐ手法。
  • 製品設計のプロセス
    1. 機能設計:何をさせるか(機能・性能・スペック)を決める。
    2. 構造設計:どういう形・メカニズムにするか(構造・材質・寸法)を決める。
    3. 工程設計(生産設計):どうやって作るか(手順・設備・治具)を決める。
  • ライフサイクル(環境)
    • Cradle to Grave(ゆりかごから墓場まで):資源採取から廃棄・リサイクルまでを含む「全体」。
    • Cradle to Gate(ゆりかごからゲートまで):資源採取から工場出荷まで。