難易度・正答率・重要度
- 難易度: ★★☆☆☆(TOC用語の理解)
- 正答率: ★★★★☆(基本用語の正確な定義が問われる)
- 重要度: ★★★☆☆(生産管理の理論的背景)
問題文
TOC(制約理論)における、ボトルネック工程やドラム、バッファ、ロープに関する記述として、最も不適切なものはどれか。
ア
ドラムは、一定で安定した生産活動を目指すために、製造プロセスの各工程において、一定のリズムに合わせて生産を進める役割を果たしている。
イ
バッファとは、設備故障や作業遅延など生産活動における不確実性に対する余裕分を含めたリードタイムのことである。
ウ
ボトルネック工程とは、工場全体の生産速度に決定的に影響する工程のことである。
エ
ロープは、ボトルネック工程の前後に隣り合う 2 つの工程間で生産指示や運搬指示を伝える役割を果たしている。
出典: 中小企業診断協会|2022年度 第1次試験問題|運営管理(PDF)
解答
- 正解:エ
解説
TOC(制約理論:Theory of Constraints)は、生産システムの中で最も制約となる工程(ボトルネック)を中心に全体最適を図る考え方。
- ア:〇
ドラムはボトルネック工程のリズムに合わせて全体の生産ペースを調整する役割。一定のリズムで生産を進めるという記述は正しい。 - イ:〇
バッファは不確実性に備えるための余裕(時間や在庫)を指し、リードタイムに余裕分を含める概念として説明可能。 - ウ:〇
ボトルネック工程は全体の生産能力を制約し、工場全体のスループットに決定的な影響を与える。 - エ:×
ロープはボトルネックの能力に合わせて「前工程」に生産指示を伝え、投入量を制御する仕組み。前後の2工程間に限定する説明は本質から外れる。
学習のポイント
- TOCの3要素の役割:ドラム(ペース設定)、バッファ(余裕の付与)、ロープ(投入制御)
- ボトルネック中心の運用:制約工程に合わせて全体最適化し、過剰仕掛りと待ちを抑える
- 言い回しに注意:ロープは「前工程への制御」がキモ。位置関係の単純化表現に惑わされない