難易度・正答率・重要度
- 難易度: ★★☆☆☆(販売促進と品揃え戦略の理解)
- 正答率: ★★★☆☆(文脈理解と用語の整理が必要)
- 重要度: ★★★☆☆(小売業の実務的対応力)
問題文
以下は、文房具店の店主X氏と中小企業診断士(以下、「診断士」という。)との間で行われた会話である。この会話に基づく下記の設問に答えよ。
X氏:
最近は、近所の小学校の生徒数が少なくなっているので、子供向けの文房具の売上が落ちています。品揃えを変えていこうと考えているのですが、アドバイスをいただけますか。
診断士:
品揃えの計画を立てるには、まず店舗の商圏における消費者のニーズを理解することが大事です。小学生が減っているということなので、新たな顧客層をターゲットにしたいですね。
X氏:
店舗の徒歩圏には高齢者が多く居住しているのですが、あまり来店していません。高齢者の方に使ってもらえる店にしていきたいと思います。
診断士:
ニーズに合った商品を品揃えすることで、購買の機会を増やしたいですね。どのようなニーズがありそうですか。
X氏:
自治会では、高齢者の絵画サークルなどをやっているようなので、絵の具やデッサン用の鉛筆などの品揃えを増やそうと考えています。
診断士:
①買上点数を増やして客単価を高めるために関連購買を促進できる取り組みをするのがよいでしょう。今はあまり来店されていないということなので、販売促進をして接客にも力を入れて常連客を増やすことが重要です。常連客の満足度を高めると、友人などへ口コミで店舗を薦めてもらえることも期待できます。
X氏:
分かりました。
診断士:
ただ、文房具は毎日買うものではありません。そこで、別の取り組みとして、②高齢者が好む菓子や飲み物など、今まで販売していない商品カテゴリーの品揃えをしてはどうでしょうか。また、商品を販売するだけでなく、ワークショップなどを開いてもよいかもしれません。
(設問1)
会話の中の下線部①に記載されている関連購買の促進に関する記述として、最も適切なものはどれか。
ア
5回買うと特典を与えるスタンプカードによる販売促進を行う。
イ
同じデッサン用の鉛筆を10本買うと1本おまけをつける。
ウ
高齢者が好みそうな園芸用品を品揃えする。
エ
デッサン用の鉛筆と一緒に使う鉛筆削りと消しゴムを同じ棚に陳列する。
オ
来店目的になりやすい商品を品揃えする。
(設問2)
会話の中の下線部②に記載されている、今まで販売していない商品カテゴリーの品揃えをするラインロビングに関する記述として、最も適切なものはどれか。
ア
今回のラインロビングの取り組みでは、近隣の商店へ影響することはない。
イ
今回のラインロビングの取り組みでは、顧客の来店目的に影響することはない。
ウ
今回のラインロビングを提案する主目的は、粗利益率を高めることにある。
エ
今回のラインロビングを提案する主目的は、買上点数を増やすことにある。
オ
今回のラインロビングを提案する主目的は、来店頻度を増やすことにある。
出典: 中小企業診断協会|2022年度 第1次試験問題|運営管理(PDF)
解答
- 設問1:エ
- 設問2:オ
解説
設問1(関連購買の促進)
- 「関連購買」とは、ある商品と一緒に使う商品を同時に購入してもらうこと。
- エの「鉛筆と一緒に使う鉛筆削りと消しゴムを同じ棚に陳列する」は、関連購買を促す代表的な陳列手法。
- 他の選択肢は、ポイント制度やまとめ買い、別カテゴリの品揃えなどであり、関連購買とは異なる。
設問2(ラインロビング)
- ラインロビングとは、既存の主力商品カテゴリーとは異なる商品を新たに品揃えすること。
- オの「来店頻度を増やすこと」は、文房具のように購入頻度が低い商品に対して、菓子や飲料など日常的に購入される商品を加えることで、来店機会を増やす狙いに合致。
- 他の選択肢は目的の誤認や影響の軽視であり、文脈に合わない。
学習のポイント
- 関連購買:一緒に使う商品を近くに陳列して同時購入を促す
- ラインロビング:来店頻度や客層拡大を目的に、異なる商品カテゴリを追加する戦略
- 販売促進と品揃えの連携:顧客ニーズに応じた商品構成と接客・イベントの組み合わせが重要