難易度・正答率・重要度
- 難易度: ★★☆☆☆(積載率・集約輸送の理解)
- 正答率: ★★★☆☆(図の意図読み取り)
- 重要度: ★★☆☆☆(配送効率の基本施策)
問題文
トラックの積載率を改善させるために、取組案aとbを検討している。現状では、物流センターAと物流センターBからそれぞれ別々にトラック1台が走行し、物流センターCへ納品しており、各物流センターから輸送する際の実車の積載率は50%未満である。(下図参照)

取組案aとbは、それぞれ以下のとおりである。
取組案a
物流センターAの納品分を物流センターBに集めた後、物流センターBからまとめて物流センターCへ別のトラック1台で納品する。(下図参照)

取組案b
物流センターCから物流センターAと物流センターBをトラック1台が巡回して集荷し、物流センターCへ納品する。(下図参照)

上記の取組案aとbに関する記述として、最も適切なものはどれか。
ただし、ここでいう積載率とは、「貨物を積載して走行するトラックの最大積載量に占める、実際に積載した貨物の量の割合」のことである。また、トラックの大きさ(最大積載量)は現状と取組案において全て同じである。
〔解答群〕
ア
トラックの積載率は、取組案aとbのいずれにおいても改善される。
イ
トラックの積載率は、取組案aでは改善されるが、bでは改善されない。
ウ
トラックの積載率は、取組案bでは改善されるが、aでは改善されない。
エ
トラックの積載率は、取組案aとbのいずれにおいても改善されない。
出典: 中小企業診断協会|2022年度 第1次試験問題|運営管理(PDF)
解答
- 正解:ア
解説
- 取組案a(集約→再出荷)
Aの貨物をBに集約して、B→Cを1台でまとめて出荷するため、Cへ向かう幹線区間の車両積載は2便から1便に統合される。最大積載量は同一条件のため、C向け便の実車積載率は上がる。 - 取組案b(巡回集荷=ミルクラン)
1台がCを起点にA・Bを巡回して積み増しし、Cへ戻るため、復路(Cへ向かう区間)はA・B分の貨物を合算した状態で走行できる。結果としてC到着便の積載率が向上する。 - 現状との比較
現状はA→C、B→Cのそれぞれが50%未満の積載。いずれの案もCへ向かう便を統合・合算する設計で、同サイズ車両条件下では積載率が改善する。
学習のポイント
- 集約輸送の基本:複数起点の貨物を中継点でまとめると幹線区間の積載率が上がる。
- ミルクラン:巡回しながら積み増す方式。戻り便(幹線)で高積載が狙える。
- 評価観点:積載率は「最大積載量に対する積載量の割合」。車両サイズが同一なら、貨物の合算が積載率改善の鍵。
- 副次効果:便数削減は運行コストやCO₂排出の低減にもつながるが、集約点のハンドリング増やルート設計の最適化が必要。