過去問解説(財務・会計)_2022年(令和4年) 第7問

難易度・正答率・重要度

  • 難易度: ★★★☆☆(税効果会計の理解が必要)
  • 正答率: ★★☆☆☆(仕訳処理を誤りやすい)
  • 重要度: ★★★★☆(税効果会計の基本論点)

問題文

当社は資本金1億円以下の中小法人に該当する。当期400万円の繰越欠損金を計上した。そのときの仕訳として、最も適切なものはどれか(単位:万円)。なお、法人税の実効税率は30%とする。

〔解答群〕

(借)繰越利益剰余金 120 / (貸)繰越欠損金 120
(借)繰越利益剰余金 400 / (貸)繰越欠損金 400
(借)繰延税金資産  120 / (貸)法人税等調整額 120
(借)法人税等調整額 120 / (貸)繰延税金負債 120

出典: 中小企業診断協会|2022年度 第1次試験問題|財務・会計(PDF)

解答

正解:ウ(借)繰延税金資産 120 / (貸)法人税等調整額 120


解説

  1. 前提条件
  • 繰越欠損金:400万円
  • 法人税等の実効税率:30%
  • 将来減算一時差異として税効果会計を適用 → 繰延税金資産を計上する。
  1. 計算
    繰延税金資産 = 繰越欠損金 × 実効税率
    = 400 × 30%
    120万円
  2. 仕訳
  • (借)繰延税金資産 120
  • (貸)法人税等調整額 120

選択肢の検討

  • ア:×
    繰越利益剰余金と繰越欠損金を直接仕訳するのは誤り。
  • イ:×
    同上。繰越欠損金は損益計算書を通じて処理される。
  • ウ:〇
    税効果会計に基づき、繰延税金資産を計上する正しい仕訳。
  • エ:×
    繰延税金負債は将来加算一時差異に対応するものであり、本問のケースでは該当しない。

学習のポイント

  • 繰越欠損金は将来の課税所得と相殺できるため、税効果会計により繰延税金資産を計上する。
  • 計算式は「繰越欠損金 × 実効税率」。
  • 繰延税金資産は「将来の課税所得が見込まれる場合」にのみ計上可能。
  • 繰延税金負債は逆に「将来加算一時差異」に対応する。