難易度・正答率・重要度
- 難易度: ★★★☆☆(ポートフォリオ理論の理解が必要)
- 正答率: ★★★☆☆(グラフの意味を正しく読み取れるかがポイント)
- 重要度: ★★★★☆(資本市場線と効率的フロンティアの基本論点)
問題文
以下の図は、すべてのリスク資産と安全資産により実行可能な投資機会を表している。投資家のポートフォリオ選択に関する記述として、最も適切なものを下記の解答群から選べ。

〔解答群〕
ア
安全資産が存在しない場合、効率的フロンティアは曲線 ABCD である。
イ
安全資産が存在しない場合、投資家のリスク回避度にかかわらず、リスク資産の最適なポートフォリオは点Cになる。
ウ
安全資産が存在する場合、投資家のリスク回避度が高いほど、リスク資産の最適なポートフォリオは曲線 BCD 上の点D寄りに位置する。
エ
安全資産が存在する場合で、かつ資金の借り入れができないならば、効率的フロンティアは FCD を結んだ線となる。
出典: 中小企業診断協会|2022年度 第1次試験問題|財務・会計(PDF)
解答
正解:エ
解説
- 効率的フロンティア(リスク資産のみ)
- 安全資産が存在しない場合、効率的フロンティアはリスク資産の組み合わせで構成される曲線ABCDとなる。
- 投資家はこの曲線上から、自身のリスク許容度に応じて最適な点を選択する。
- 安全資産が存在する場合
- 安全資産を組み合わせると、効率的フロンティアは「資本市場線(Capital Market Line, CML)」となる。
- これは安全資産とリスク資産の最適ポートフォリオ(点C)を結んだ直線で表される。
- 借入制約の有無
- 借入が可能であれば、効率的フロンティアは安全資産から点Cを通り、さらに延長した直線FCまで広がる。
- 借入ができない場合は、安全資産と点Cを結ぶ線分FCと、点CからDに至る部分(CD)を合わせた線、すなわち「FCD」が効率的フロンティアとなる。
選択肢の検討
- ア:×
正しいが「安全資産が存在しない場合」の説明であり、本問の条件には合わない。 - イ:×
リスク資産のみの場合、最適ポートフォリオは投資家のリスク選好によって異なる。点Cに限定されるのは誤り。 - ウ:×
安全資産が存在する場合、効率的フロンティアは直線で表されるため、曲線BCD上から選ぶことはない。 - エ:〇
借入ができない場合、効率的フロンティアはFCDを結んだ線となる。
学習のポイント
- 安全資産が存在すると、効率的フロンティアは「直線(資本市場線)」になる。
- 借入可能か否かで、効率的フロンティアの範囲が変わる。
- 投資家はリスク資産の最適ポートフォリオ(点C)と安全資産を組み合わせて、自身のリスク選好に応じた投資比率を決定する。